改革開放を打ち出したトウ小平氏は20数年前、英国のサッチャー首相に対し、「1国2制度」の構想を説明した際に、「香港が中国に復帰しても、今までと同様に競走馬は駆け続け、株式が売買され、ダンスも踊れる」と、抽象的な比喩でその社会制度の維持を説明した。祖国復帰10周年を迎えた香港では、その言葉通りに馬は元気に駆け、株式市場も活況を呈している。
▽競争馬は駆け続ける――香港人が最も愛する娯楽
「競争馬は駆け続ける」という一言は抽象的だが、香港人の生活が10年間、変わっていないことを表している。競馬主催団体、香港賽馬会の麦建華・会社発展事務執行総監は感慨深げに「振り返ると、生活方式を変えないという約束は実行された」と語った。
毎週末と水曜日、沙田(シャティーン)とハッピーバレーにある2つの競馬場では、人の流れが絶えず、至るところで歓声が上がる。自分が賭けた馬のレースぶりに一喜一憂することこそ、今も昔も香港人が最も愛する娯楽だ。香港の亜洲電視(ATV)本港台、無線電視(TVB)翡翠台で放送される競馬中継は、香港人が最も好むテレビ番組の一つとなっている。
現在、競馬開催日には120万人が投票し、毎年開かれる国際レースの視聴者は10億人に上る。
世界最大の慈善団体の一つでもある香港賽馬会は、10年間で100億香港ドルを寄付した。従業員数は香港の事業体でトップ10に入る2万4000人に上る。
写真(1):香港ビクトリア湾の夜景
写真(2):沙田競馬場のレース
「人民網日本語版」2007年6月22日