このほど発表された中国初の「慰安婦」被害事実調査報告によると、日本の戦犯6人が当時の強制慰安婦について供述していることが分かった。「慰安婦」制度は旧日本軍の間で少なくとも16年続けられ、文書に記載のある中国人慰安婦は338人、最年少は当時12歳だった。「北京晨報」が伝えた。
中国元「慰安婦」被害事実調査委員会が作成した調査レポートでは、中国の元「慰安婦」に話を聞いたほか、当時の戦犯の一部を調査した。その結果、6人が中国での強制慰安婦について供述していたことが分かった。旧日本軍の陸軍中将で第117師団長だった鈴木啓久は、「安徽省巣県駐屯時に、副官の堀尾少佐に命じて慰安所を設置させた。20人の中には朝鮮人もいた。中国で合わせて60人の中国人・朝鮮人を強制的に慰安婦とした。また、東北でも慰安所設置を命じた」と供述している。「偽満州国」司法部の矯正総局長だった中井久二は、「1939年5月、私は黒河省(現・黒竜江省一帯)の次長だった頃に、慰安所を設置した。3万元で約200平方メートルの部屋を1軒建てた」と供述している。
調査に参加した康健弁護士は「日本語のある文書は、当時の軍に対して直接に『慰安婦』へ報酬を渡さないよう命じていたことが明らかに記されている。私たちの元『慰安婦』への調査でも、誰も旧日本軍からいかなる報酬も受け取っておらず、得られたのは被害だけだった」と述べる。康弁護士によると、これは第一段階の調査で、今後も大量の調査活動が続けられるという。
写真(1):1944年、中国の遠征軍に助けられた朝鮮人「慰安婦」(中国新聞社)
写真(2):1938年に建設された上海の楊家宅慰安所(資料)
「人民網日本語版」2007年7月4日