不動産価格が上昇を続け、多くの学者や政府部門が市民に賃貸住宅の利用を奨励しているにも関わらず、多くの人は借家には住みたがらない。中国青年報社会調査センターと新浪(SINA)ネットのニュースセンターが共同で調査した最新データによると、8729人の調査対象のうち87%が「借家で一生涯暮らしたくない」と答えた。「中国青年報」が伝えた。
中国の賃貸住宅事情を国外と同等に比べることはできない。中国には成熟した賃貸住宅市場がないだけでなく、住宅には居住という目的の他に、戸籍の入籍先や子供の就学先など多くの社会的価値を付帯するからだ。それに今も不動産価格はどんどん上昇している。
調査結果によると、調査対象者の考えは一辺倒で、大多数の人が、マイホームの購入は難しい、家を借りるのも大変だ、と思っている。「目下、借家に住むことは非常に面倒なことだと思う」と答えた人は81%におよんだ。
「絶対の権力がある家主から明け渡しを迫られたり、賃金を上げると言われれば応じざるを得ない。借り手はいくらでもいるのだから、嫌なら出て行けと言われるだけだ。誰もが自分名義の家を欲しがるわけさ」と調査対象の一人が語る。
またある人は「半年の間に、家主に言われて3回も引っ越したんだ。次の月にそこに住めるかどうかの予測もつかない。借家に住むなんて根無し草の代名詞みたいなもんさ。借りた部屋がどんなにひどい状態でも、自分で金を出して部屋をどうにかしようなんて思わないね」と少し怨めしそうに語る。
今回の調査のうち、「長期に住める借家が無いのが最大の悩みだ」と思っている人は69%におよんだ。
不動産業の関係者の著述によると、目下、都市における大規模で安定した賃貸住宅は2%を占めるのみだ。ほとんどは個人名義の住宅で、賃貸料や賃貸期間は安定せず、制度の対象にはならない。国外の多くの国々では、関連の金融政策を実施することによって、長期的な賃貸の住宅市場を安定させている。
個人名義の家を借りることは、引越しが多いなどの面倒なことが多い。「不動産仲介業は規範的でなく、信用できるかどうか、家を借りる際の最大の悩みだ」と答えた人は11%であった。
長期的なことを考えてみると、借家に住む際の面倒なことはまだまだ出てくる。調査対象の一人が語るには、北京の現行の規定によると、借家に住んでいては、子供が学区内の学校に上がることができない。ある人は、「マイホーム主義なんて古い考えだって言うけどな、現実問題として、自分名義の家がないと、子供の戸籍も入れられない。じゃ、どこの学校に上がるんだ?政策はマイホームを持たない人のことを考えてない。こんなんじゃ誰もが自分の家を持ちたいと思うさ」と語る。
実際には、自分の意志から言えば、借家に住みたがらない人がそんなに多くはない。調査によると、便利で長期的な借家が提供されれば、借家で一生を過ごしたい人が大いに増えるという。
「人民網日本語版」2007年9月11日