『ELLE』中国版16周年10月号は、二つのバージョンの表紙で売り出された。表紙を飾った一人はジェット・リー(李連傑)。そしてもう一人は、誰もが認める“夢の”華人女優マギー・チャンである。
マギー・チャン(張曼玉)は、スタイリストをつけずに自分で全てスタイルを決める。彼女はブランドにこだわらない。ブランド品しか買わない人は理解できない、という。
「私にはちょっと変わった習慣があるの。服のラベルを全部取ってしまうのよ。自分でもどこの服を着ているのか知りたくないから。だって、その服がバレンシアガだろうと、エスプリであろうと、マギー・チャンという私自身が身に着けている、いってみれば私の一部分だと思うから。」
ケイト・モスが一番好き
彼女自身、独特の風格を持つマギー。理想とする人物は、有名モデル“ケイト・モス”だそうだ。マギーいわく、
「ケイト・モスには彼女特有の風格がある。彼女が持つ物は彼女自身の一部となっているわ。それが流行にあっていようがいまいが関係ないのよ。私は彼女のそういうところをとても評価してる。」
ケイト・モスのこうした風格はマギー自身と共通している。
「私が何かを気に入るポイントは他の人とは違うかもしれない。ブランドにはこだわらないし、価格だって気にしない。一番のポイントは“それ自身”よ。たとえ安い手袋だとしても、自分が気に入ればそれでいいの。」
マギーの“風格”を学び取りたいという人に対して彼女は、「自分が着る服に“フィーリング”を感じることが大切だと思う。ただブランド品だからというだけで買うというのはつまらないことじゃない?“あなた”が“服”を着ているのであって、“服”が“あなた”を着ているわけじゃないのよ。あとは、ラベルは全部切り落としてしまうことね。風格というのは、結局は性格の問題じゃないかしら。一番大事なのは、“中身”よね。」とアドバイス。
女優だけで終わりたくない
『ELLE』の取材を受け、近況について聞かれたマギーは次のように語った。
「今、私は仕事や趣味の面で、ちょうど過渡期にあると思う。今の私にとって映画は人生の選択の一つに過ぎないわ。」
2004年に『クリーン』に出演した後、新作に出ていない彼女だが、このことについて焦りはないという。
「偉ぶっていると思われたくはないけど、これまでにパターンの異なる多くの映画に出演してきたわ。心から“出てみたい”と思える映画に出会わない限り、今は自分の時間をもっと持ちたいと思ってる。でももし、デビッド・リンチやマーティン・スコセッシのような尊敬する監督や役者と共演できるなら話は別だけど。だってそれは、“マギー・チャン”の作品が一つ増えるのではなく、これまで出会ったことのない芸術家と知り合い、彼らの仕事のやり方を知るチャンスだから。これは私にとって素晴らしいことだわ。」
では、現在のマギー・チャンは?
「今違う方面の仕事を模索しているところよ。ただの女優で終わりたくないの。昔、もし女優になっていなかったら何をしていただろうと自問したことがあるわ。今もまだ答えを探してるところ。」
「チャイナネット」2007年10月9日