湖北省経済学院芸術メディア学院で講師を務める董冠●さん宛てに23日、ドイツのフュルト市政府とオーム専門大学から一通の手紙が届いた。フュルト市地下鉄駅の開通記念式典への招待状だった。26歳の董さんはドイツの地下鉄駅内装に関わった若き設計者でもあるのだ。湖北省の日刊紙「楚天金報」が伝えた。
董さんは、ニュルンベルクのゲオルク・ジーモン・オーム専門大学に2003年から06年まで院生として在学し、「展示・空間設計」を専攻した。今回の地下鉄駅設計は、2004年10月、董さんとほかの15人の学生たちがフュルト市の地下鉄駅の内部空間設計を研究課題として与えられたことがきっかけだった。
ドイツは工程設計の分野での審査が厳しく、デザインが採用され実現されるためには、多くの論証と研究を経なければならない。「これほど大きな公共設備の設計に関わるのははじめて。最初は自信がありませんでした」と董さんは当時の不安を振り返る。教授の指導の下、フュルト市の歴史文化を徹底的に研究、歴史も長く有名なガラス工場があることに目をつけた。高度・位置・角度によって反射の仕方を変える鏡の原理を市の駅の設計に応用できないか――董さんはそんな発想から独自性あふれる大胆なデザインを作り出した。
自分の設計した地下鉄駅の構想を他の人にも視覚的に理解してもらうために設計図をもとにミニチュアを作るなど、5カ月以上にわたる論証と改良を繰り返した結果、フュルト市の地下鉄駅設計事務所に提出した設計案は正式に認められた。董さんの設計した地下鉄駅はこうしてついに現実のものとなった。
●の字は女偏に「尼」
「人民網日本語版」2007年10月25日