「西側メディアは改革中の中国にどのような態度を取るべきか」という記事が9月2日、BBC中国語サイトの特別欄「中国人が語る中国」に「李先生」の署名で掲載された。
「80年代生まれの新世代」と自らを紹介する作者は、▽97年の香港返還▽98年の長江大洪水▽拉薩「3.14」事件▽四川省大地震――などで、「公正」とされる西側メディアが行った「偏向報道」を列挙し、「西側は一つの事実を見落としている。中国政府が中国を率いてここ30年で驚くべき経済成長を実現し、多くの民衆がこの経済成長で利益を得たという事実だ」と結論付けている。
この記事は大きな論争を呼んだ。この記事に対するBBC中国語サイト上のコメントは9月23日までに1900件に達した。江西省出身のハンドルネーム「中国公民」は、「これはほとんどの中国人に共通する見方だ」とコメントしている。
中国では今年年初以来、大雪凍結災害・四川大地震・北京五輪大会などの大事が続いた。今年は改革開放30周年にもあたる。この時期にこの記事が出現したことは、中国の改革開放に注目し中国の発展の道を肯定する「集合的民意」の1つの現れだと言える。
「中国のウェブ利用者はいっそう成熟した」。中国インターネット協会の黄澄清・秘書長はこう語る。「とりわけ今年は、年初の大雪災害から五輪大会にいたるまで、中国のインターネット事業者やウェブ利用者はインターネットを通じて大きな役割を果たした。中国のウェブ利用者はとても責任感を持っていると思う」。このような「成熟」「責任感」と同時に、インターネットという新たなメディアを通じて情報取得・意見発表・交流活動を行う人々が、国家や社会に対して強烈な自己同一感を抱いていることがうかがわれる。
「人民網日本語版」2008年10月9日 |