北京では、このところ、多くのスーパーや市場では、販促のためにお客さんに白菜を無料でサービスしている。去年の同じ時期と比べて、今年、白菜の値段がとても安くなった。2、3年前にも白菜の価格はが大幅に下がったため、農家は大いに損をした。このため、去年白菜の栽培面積が大きく減少した。ものが少なくなれば、欲しくなるというように、去年は白菜の収穫量が少なくなったため、価格が引き上げられた。これが再び、農家の栽培意欲を刺激した結果、今年の栽培過剰をもたらした。一方、白菜に対する市民の需要も少なくなり、輸出が減少したこともその原因の一つである。
しかし、白菜はかつて北方住民の冬超えの主な野菜だった。1990年代の初め、冬になると、北京市政府が直面する重要な任務は市民への白菜の供給を保障することだった。当初、冬超え野菜の中で、白菜が95%を占めていた。白菜がなければ、市民が冬超えの野菜を確保できなかったのである。中国の副食品の供給不足を解消するため、農業省は20年前の1988年に「買い物かごプロジェクト」(野菜栽培プロジェクト)を実施したところが今日では、北方でこのプロジェクトの主役であった白菜はすでに引退した。
現在では、ビニールハウスの栽培技術が普及したため、冬でも市民の食卓には新鮮な夏野菜が出ている。こんな小さなことからも中国の時代の変遷がうかがえる。
「中国国際放送局 日本語部」より2008年12月12日 |