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中国政府、大学生就職問題解決に努力 「チャイニーズドリーム」を守る |
発信時間: 2009-02-17 | チャイナネット |
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「アメリカンドリーム」とは仕事や学業に励み、自らの努力で成功をつかむことを意味する。中国にも自分の夢を実現する方法がある。漢代に起源を持つ官吏登用試験「科挙」の実施以来、いつの時代においても、親は子どもの成功を願い、子どもは有用な人材になることを夢見てきた。「アメリカンドリーム」と同様に、「チャイニーズドリーム」でも仕事における努力が重視されるが、中国では教育により大きな重点が置かれている。なぜなら、教育は若者が貧困から抜け出し、その家族によりよい生活をもたらす手段になるからである。鄧小平氏が改革・開放政策をスタートさせて以来、「チャイニーズドリーム」は特別な吸引力を持ち続けてきた。 現在、中国の経済成長が鈍化するなか、1100万人の若者が高学歴であっても就職できないという現実に直面している。中国社会科学院の統計によると、昨年、中国では150万人の大学生が就職できなかったという。このように「チャイニーズドリーム」が突然脅かされた状況に対し、中国政府は懸念を強めている。 中国政府がこれほど多くの大学生が就職できない状況に懸念を抱くのは当然と言える。中国の大学生数は総労働者数のわずか6%であるが、彼らの持つ象徴的価値は非常に大きい。広州の心理学専門の魏志中(仮名)教授は、「今の学生は親子2世代の期待を背負っている」と指摘する。学生と彼らの親が自信を失えば、不安な心理状態から生まれる不合理な社会に対する憤りが、社会に広がることになる。 こうした状況を受け、中国政府は、一般国民が民族としての誇りを失わないよう、取り組み始めた。新たな措置として、軍隊における大学からの研修人員受け入れ倍増、大学院生の就職先確保を目的とした、大学などでの科学研究事業の増加、学費免除の学生から貧しい省での教職従事者確保を打ち出した。また、最も重視されている4兆元の景気刺激策では、国有企業が実施する鉄道や送電線などのインフラ建設事業に、大部分の資金を投じる計画だ。この刺激策は今年新たに900万人の雇用を創出することを目標にしている。これらの雇用は大学卒業生のみを対象にしているのではないが、50万人の工業専攻の卒業生を安心させる内容となった。 今年の夏、610万人の大学生が卒業する予定であるが、親たちはこれらの措置が子どもの就職によい影響を及ぼすことを期待している。大学入試が再び実施されるようになった1978年以降、中国の親たちは多くの貯蓄や時間を注ぎ込み、学費を支払い、家庭教師を利用してきた。これらは全て、子どもを大学に進学させ、学位を取得させるためだった。だが、現在、多くの親はこれまでの教育への投資を回収できず、子どもが自分たちの老後を支えることができないと考えている。 中国で就職先を探す大学生は、世界金融危機が起こる前も非常に厳しい情勢に直面していた。大学入学者数はこの4年で倍増。現在、優秀な学生であっても、二線都市(省都および地方重要都市)で就職先を得るには、かなりの努力が必要となる。運よく就職できた場合でも、以前ほど多くの給料を手にすることはできない。マネージメント学専攻の学生・田少元(仮名)さんは、「給料は月1000元以下に下がった」と話す。この問題の原因は金融危機だけではない。魏志中(仮名)教授は、「現在の学生の親たちは自分の夢を実現することができなかった。このため、子どもに自分の夢を託している」と指摘。また、農村出身の学生について、「一旦農村を出たら、再び戻る気持ちはない。農村に戻ったら、自分には価値がないと感じているのだろう」と述べる。 こうした問題を解決するために、中国政府関係者は学生の就業機会の保証に努めており、学生に対し、高待遇でなく安定した仕事についても検討するよう促している。清華大学就職指導センターの祁金利(仮名)主任は、「昨年、当校で国有企業を選んだ学生の数は、前年比10ポイント増加となった」と話す。 中国政府が雇用を創出する努力を続ければ、「チャイニーズドリーム」は守られるだろう。実際、中国政府は適切な方針に基づき多くの措置を講じ、景気刺激策を打ち出した。また、地方政府も学生向けの就職説明会の開催回数を増やし、学生の実習も計画している。だが、中国が「急速に豊かになる」といった時代はすでに終わったとみられる。今後、大学卒業生たちは複雑なホワイトカラー労働市場に取り込まれることになる。いずれにせよ、彼らは親の世代よりもよい生活を送ることができ、老後の生活も心配ないだろう。手厚い待遇を受けられる時代は終わったが、中国政府は大学卒業生が自分自身の目標を調整できるようサポートすべきである。 「チャイナネット」2009年2月17日 |
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