台湾海洋生物博物館などの招待を受け、第25回南極科学観測隊を乗せた大陸部極地科学観測船「雪竜号」が1日、高雄港に寄港、極地科学観測をテーマとした両岸の交流活動が行われた。「雪竜号」は、南極での科学調査活動から戻る途中に台湾に立ち寄った。「雪竜号」の台湾訪問は、極地に関する両岸の交流・協力を進める「破氷の旅」とも言えよう。台湾「連合報」が伝えた。
台湾側の軍事情報部門は、「雪竜号」の台湾訪問に大きな注意を払い、同船が1日、高雄港に入る様子を、軍事・警察・防衛関係者がそろって現場で見守った。博物館と大陸部の担当者はいずれも、「雪竜号」の寄港は、学術交流の域を出るものではないと強調している。
高雄港に寄港した「雪竜号」には、計127人が乗っており、船員約30人以外はほぼ全員が科学研究者という。「雪竜号」は2日と3日の両日、一般公開され、申し込みをすれば乗船が可能で、記者の取材や撮影も許可された。
「雪竜号」の台湾訪問は、海洋生物博物館、正修科技大学、東華大学による共同チームの招待を受けて実現した。同博物館の王維賢・館長によると、大陸部は、台湾側チームの数人が極地調査観測メンバーに加わり、「雪竜号」に乗って現地に赴くことに同意したという。
王館長によると、両岸は南極研究を共同で実施するという共同認識に至っており、協力の具体的内容について今後検討を重ねていく予定という。同博物館は、「雪竜号」が収集した貴重な南極の生物標本を展示する特別展の開催も計画している。「雪竜号」が次に南極を訪問する際には、台湾の研究者も観測調査メンバーに加わり、研究資料を直接持ち帰ることになるだろう。
「人民網日本語版」2009年4月3日 |