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1850年、「ゴールドラッシュ」の波に乗り、カリフォルニア州に移住した中国人労働者 |
米カリフォルニア州のアーノルド・シュワルツェネッガー知事は21日、中国系の州議会議員・方文忠(Paul Fong)氏が提出したACR42法案(中国人排斥に対する謝罪決議案)に署名、150年間に及ぶ中国系移民に対する排斥行為を正式に認め、この民族差別・迫害に対して遺憾の意を表明した。同法案は、カリフォルニア州の法令として来年1月1日に発効、カリフォルニア州で百数年間続いた中国系移民に対する差別の歴史にようやくピリオドが打たれる。「広州日報」が伝えた。
カリフォルニア州の方文忠・州議会議員が発表した最新の声明によると、シュワルツェネッガー知事は、同議員が提出したACR42法案に署名し、州政府を代表して中国系コミュニティに正式に謝罪し、州に対する中国系移民の多大な貢献を認めたという。
カリフォルニア州議会上・下院は7月初め、方議員が提出したACR42法案を全会一致で可決した。シュワルツェネッガー知事は、議会と予算案の成立で合意した後、直ちに同法案に署名、同州の正式法令とした。
方議員は、法案が可決されたことを聞いた時、「これで、カリフォルニア州に対する中国系移民の貢献が州政府から認められた。州の建設・発展のために彼らが積み重ねてきた偉業が公に認められたことはこの上なく喜ばしい」とコメントした。また、「今回の謝罪と法令制定は、中国系コミュニティにとって極めて深い意義がある。州政府による法案可決は、中国系移民への様々な差別的待遇に対する歴史的総括という意味合いを持つ」と続けた。
方議員は、この次は、国会議員と連絡を取り、連邦政府レベルで同様の提案を推進し、中国系移民に正義を取り戻すつもりだと意気込みを語った。方議員によると、ある連邦議員の支持を獲得、この連邦議員はこのほど新当選した中国系女性国会議員のジュディ・チュー(趙美心)氏と協議を進めているという。方議員は、この2人が法案を共同起草するよう希望している。
カリフォルニア州の中国系移民の歴史は、ゴールドラッシュが始まった1849年にさかのぼる。以来、中国系移民に対し、1882年から1943年の「排華移民法(中国人排斥法;Chinese Exclusion Act)」など不平等な法令が制定された以外に、「外国人鉱山採掘税」などの重税も課せられた。
また、1880年、中国系移民を雇用する雇用主は、罰金または監禁処分に処せられることとなった。中国系移民は、1943年まで市民権を与えられず、1946年まで住宅の購入を許されず、1948年まで異民族との結婚を禁止されていた。
中国系移民に対する差別の歴史:
1852年:カリフォルニア州、外国人金採掘者に対して採掘税増税
1872年:カリフォルニア州、中国系移民の入国禁止決議案通過
1880年:カリフォルニア州、中国系労働者の雇用を禁止する懲罰的法案可決
1882年:米国会、悪名高き「中国人排斥法」通過。中国人労働者の入国を10年間禁止。「中国人排斥法」は1892年、さらに10年間延長され、1904年には制限期間が無期限となった。米上・下院は1943年2月、「中国人排斥法」の撤廃を次々と可決、1943年12月17日に発効された。悪名高き「中国人排斥法」は、61年にわたる歴史の幕を閉じた。
「人民網日本語版」2009年7月24日
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6月17日、カリフォルニア州政府に「中国人排斥法」謝罪決議案を提出、記者の質問に答える方文忠・州議会議員(中央) |