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中産階級の勃興:中国社会の価値観を形成へ
発信時間: 2009-07-29 | チャイナネット

1978年から始まった改革開放以降、30年間中国社会で固定化していた階級状況(労働者・農民・知識階級)に新たな変化がおきた。経済の改革開放が、社会構造に変化をもたらし、従来の各社会グループの分化と統合が進んでいる。その中で最も影響力をもつのが、新たに現れた中産階級だ。彼らは中国社会の発展を後押しすると同時に、中国社会のより良い推進力となり、変化の風向計となっている。

中国社会学研究会の陸学芸会長は02年、代表作「現代中国の社会階級研究報告」を発表した。この報告で陸氏は、中国の中産階級の数はすでに8000万人以上に達し、毎年約1ポイントのペースで増加していると指摘。「楽観的に予測すると、中国の中産階級は2020年までに総人口の33%或いはそれ以上の数になる」と陸氏は記者に話した。

この数字は、新興の中産階級が勃興していることを説明している。彼らの手元には約10万元の資本があり、中国の半数以上の技術特許を利用している。彼らは直接的或いは間接的に全国の3分の1の税収に貢献し、全国の貿易額のうち4割を占める商業活動に従事している。

どんどん人々の「財布は温かく」なり、どんどん中産階級に仲間入りする人が増え、海外旅行も身近なものになった。まるで市場のトマトがああだこうだというように高級ブランドのプラダやルイヴィトンの話が出るし、かつて自転車が「統治」していた道路は今やBMW、アウディが走っている……。中産階級の急増は、中国人の金銭感覚や消費文化を変えつつある。中国で何世代も追い求めてきた「いい暮らしをする」という夢は、今の世代にとっては「実現可能な夢」となり、しかも今ではそれ以上を求めているといえる。

「中産階級の中国社会への貢献は、富の増加にとどまるべきではない」と陸会長は話し、理想的な中産階級社会の一例として、人々の生活が相対的に豊かになり、生活を楽しみ、社会の治安状況もよく、社会に公正・公平な価値体系があり、人々が自らの信仰を持っていることをあげた。これらの基準は、社会の一員がみな幸せで、誇り高く、安定し、団結しているという最終目標にいきつく。

中国では、中産階級が社会の安定を維持する機能も受け持ち、社会の中で穏やかで理性的なイデオロギーを代表している。こういった役割と機能は一定の人数と比率の上で発揮される。中産階級が十分に力をつければ、いかなる暴力や暴政にも敵対し、社会の安定を担うことになる。

「明朗な政治と社会の調和は中国ドリームの重要な内容だ」と陸氏は主張する。中産階級は市場経済社会の安定した発展を支える柱になりつつある。彼らが政治や社会の発展に関心をもち、弱者に同情し、生活の安定を望むことで、国の政治生活の中で重要な役割を演じることになる。

これと同時に、中産階級が新たに描き出す「中国の性格」にも期待が寄せられている。北京大学中文学部の張頤武教授は、中産階級が中国社会の主流の価値観を形成していくとしている。

「人民網日本語版」2009年7月29日

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