長々と続く福建省の海岸線は「海上シルクロード」の起点だった。この地域の海上輸送ルートや多くの港湾には、歴史上の各時期の各種沈没船が眠っている。1980年代初め以降、海底文化財の盗難、略奪、違法な引き揚げが度々発生している。福建省人民代表大会常務委員会が2日に審議を行った「福建省文物(文化財)保護管理条例」では、「水下文物(海底文化財)保護」に一章が割かれた。全国各省(区・市)が定める地方法規では初のケースだ。
福建省文物局の鄭国珍局長によると、福建沿海底考古調査隊は昨年3月下旬から9月中旬にかけて、同省福州、フ田、泉州、ショウ州などの沿岸地域で海底考古調査を実施、数多くの成果を得たという。過去に発見された沈没船遺跡を再検査しただけではなく、10以上の沈没船遺跡を新たに発見、海底遺物の一部を採集した。
しかし、これらの「海底の秘宝」は、もっと前から眼をつけられていた。中国沿海地域では、1980年代初めから、海底文化財の盗難が見られ始め、その数はだんだん増え、とうとう「引き揚げ専門」大窃盗グループまで結成されるまでになった。2008年に福建省竜海で公安辺防(国境警備)部門に検挙された文化財違法引き揚げ転売事件では、宋、元、明清および中華民国各時期の文化財計3845点がこっそり引き揚げられたことが明らかになった。
今回の審議によって、引き揚げなど違法行為に対する罰金規定に関し、現行の「罰金1万元以上5万元以下」から、「罰金5万元以上20万元以下」に改定された。違法行為がかなり深刻なケースでは、「罰金20万元以上50万元以下」が適用される。
「多くの窃盗者にとってはこの程度の罰金では痛くも痒くもない」という専門家もいるが、50万元は罰金の上限額として法律で定められている。
「人民網日本語版」2009年8月3日 |