香港では物価と消費者物価指数が高止まりし、月収で家計が維持できなくなり、安い生活コストを求めて大陸部に移り住む香港人が増えている。香港紙「文匯報」が伝えた。
香港計画署が20日に発表した調査で、昨年6万1865人が香港から深センの福田・羅湖・竜崗に移住したことがわかった。彼らの平均月収は1万元にすぎないが、半数がマイホームを持ち、そのうちの70%近くがローンを組まずに1回払いで支払いを済ませている。購入した不動産物件の平均価格は50万元だった。深セン在住の香港人は多くがホワイトカラーで、約20%がマネージャーや管理職となっており、66.6%が香港で働き、香港と大陸部を頻繁に行き来している。
香港計画署と深セン市統計局が昨年9月に協力して行った「深セン在住の香港人状況調査」で、深セン在住の香港人家庭4200世帯を訪問し、人口にして計6900人だったことがわかった。ここから推算して昨年深セン在住の香港人は4万731世帯の61865人にのぼり、その80%が福田・羅湖・竜崗に居住している。
彼らが深センに移り住む理由は、70.1%が両親や配偶者、子女と一緒に暮らすためで、次に深センは生活コストが低いためが25.1%、職場や学校が深センにあるためが同じく25.1%だった。この調査で、半数近くの深セン在住の香港人がなお香港にも住宅を残していることがわかった。40%が香港にも住宅があり、仕事や家族・友人に会うために週に1回以上香港に戻るという人が55.1%にのぼった。また60%以上が過去半年間香港の医療サービスを利用しておらず、71.5%がこの5年間は香港に戻って常住するつもりはないと答えた。
経済学者は、大陸部の生活水準はさほど高くなく、家賃や生活コストが香港よりもかからないことが、彼らが北上して居を構える主な要因となっていると説明する。しかも今では大陸部と香港間の交通の便もよくなり、大陸部への移住がより簡単になっている。しかし、今深センに移住している香港人は一般的に所得の低い人たちで、中産階級やお金持ちの移住はまだ見られないという。
「人民網日本語版」2009年8月21日 |