北京五輪が間近に迫るとともに、五輪関連の競争も激しくなっている。これは五輪大会のビジネスチャンスをつかむための競争である。盛大な北京五輪の「分け前」をあずかるため、内外の企業は主催国である中国と関連の取り決めを結ぶことに力を入れ、中国市場でのシェアを拡大し、ブランドの知名度を向上させ、企業の収益を増やすことを目指している。
世界で最も著名なスポーツの大会である五輪大会の期間、高い視聴率と視聴者たちのあふれるような熱意によって、スポンサーとなった企業は巨大なメリットを手にすることになろう。北京五輪は企業の協賛の面でいくつかの記録を更新するかもしれない。北京五輪のすべての協賛企業(ワールドワイドパートナー、スポンサー、サプライヤーを含む)にとって、メディアにデビューするチャンスと潜在的ビジネスチャンスは非常にすばらしいものとなろう。このスポーツ大会は10億人以上の中国の視聴者をひきつけ、50万人の外国観光客が中国を訪れ、世界的範囲の視聴者総数は40億人に達すると見られている。
五輪協賛の「盛大な宴会」
北京五輪組織委員会は2008年北京五輪を「歴史上最も成功した五輪大会にする」ことを約束している。つまり、北京五輪のスケール、競技レベル、組みあわせ、ビジネスチャンスは未曾有の大きなものとなろう。ビジネスチャンスや利益が世界的なスポーツの盛会にこれほど緊密に結びついたことはこれまでにないと言えよう。
人件費は安く、安全への配慮も相対的に低いので、五輪競技施設の整備への投下はわずか26億ドルであるが(これはアテネ五輪の50%にしか達しない)、中国政府は五輪開催前に北京市の姿を一変させるために2000億ドルの巨額な資金を投入し、北京市の交通と通信のインフラ整備のレベルアップに力を入れている。
これらのプロジェクトに投下されたほとんどの資金は、ワールドワイドパートナー、スポンサー、サプライヤーとなった内外の会社からのものである。北京五輪の協賛プロジェクトは史上最も全面的なものである。当面、Visaカード、コカコーラ、レノボ(Lenovo、聯想)などの北京五輪のワールドワイドパートナーは五輪関連のCMのために巨額な資金を投下している。
2004年のアテネ五輪はギリシアにとって世界にその文化の奇跡を提示するチャンスと言えるならば、北京五輪は、中国が世界に自らの姿を示すチャンスとも言えよう。中国政府は2008年北京五輪の三つのテーマを発表した。それは「人文の五輪、科学・技術の五輪、グリーンの五輪」ということである。この三つのテーマを通じて、北京は「中国がどのように発展するか、どのように新機軸に力を入れるのか」、「直面する難題をどのように解決するのか」という課題に答えている。
五輪協賛がもたらしたダブルの影響
2008年オリンピック大会の主催都市としての北京は初めから内外の企業の注目を浴びることになった。北京五輪への協賛を通じて、中国ひいては国際的市場をさらに広げることを目指している。北京にとって、五輪大会の協賛権を持つことはダブルの影響をもたらすことになる。一、五輪のワールドワイドパートナーになれば、企業は自らを五輪に結びつけることができ、グローバルな運営で五輪大会の「なみなみならぬ」、「友好」、「勝利」などのイメージをも提示することが可能となる。二、より重要なのは、北京五輪の協賛企業は中国市場でのシェアを拡大できるということである。
最新の調査アンケートの結果によると、五輪協賛のチャンスを見逃した企業に比べて、中国のスポーツファンの68%は五輪に協賛している企業の商品を好み、中国の人々は中国を中心として、地元の市場に基づいて、先々まで見通す企業をサポートする傾向が明らかになった。
北京五輪をめぐってのPRは中国の消費者に好まれるようにしなければならない
中国市場での成功を手に入れがたいと思っている内外の企業にとって、巨大な購買力を持つ1億人以上の中国の若い消費者たちに好まれるようにしなければならない。なぜなら、中国の若者たちは高価なブランド品を購買する財力を持っているからである。競争が激しく、ブランドが数多く存在する市場からずばぬけた存在にあることはそれほど易しいことではない。例えば、劉翔選手はVisaカード、コカコーラ、伊力(イーリー)ミルク、ナイキなどのブランドのイメージキャラクターとなっている。これは、北京五輪のCMがもたらすチャンスとチャレンジをともに示すものである。
今後、北京五輪の協賛企業の中国市場への進出はより難しくなり、五輪をめぐっての競争を目指す中国の企業やブランド、五輪の「分け前」をねらうすべての企業にとって、2008年8月8日(北京五輪の開幕)は間近に迫っている。
北京五輪は世界に中国のイメージを示すとともに、世界レベルのブランドもこのチャンスを生かしてPRの戦略の質の高さとオリジナリティを立証することにもなろう。両方とも、失敗しないように、言っておきたい。
「チャイナネット」 2007年5月8日
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