2008年北京オリンピックが近づくにつれ、北京市の交通状況がますます注目されるようになっている。北京市交通委員会の劉小明副主任は13日に行われた記者会見で、「2008年北京オリンピックの期間中、北京の交通は保障できるものだ。これからは、公共交通機関を優先する措置を継続し、交通渋滞などの問題を緩和していく」と語った。
北京のタクシー運転手・劉建軍さんは、今、よくある交通渋滞にすっかりお手上げのようである。
「交通渋滞はよくありますか?」
「はい、いつもです。」
「渋滞するときは、当たり前のように思っていますか?それともいらいらするんですか?」
「いらいらしてもしょうがないでしょう。北京では、渋滞はいつものことだから、根気良く待つしかありません。そのときはラジオを聴いたりします。」
北京では、劉さんのように渋滞に悩まされている市民は少なくない。ここ数年、北京では自動車が急増している。現在、北京の自動車数は1997年の100万台から300万台に増え、交通に大きなプレッシャーとなっている。
劉小明副主任は、また「北京市は、渋滞の緩和に向けて今後も、公共交通を発展させる戦略を取り、公共交通への財政支出を増やしていく。さらに、公共交通システムの確立を急ぎ、2008年オリンピック開催までに、地下鉄などの路線も増やしていく予定だ」と述べた。
「来年は、路線バスなどの専用道の整備に力を入れ、そのネットワーク化を進めていく。同時に、路線バスやミニバス、地下鉄などの乗り換えシステムをさらに工夫し、市民の利便性を高めていく」と説明した。
また、劉副主任によると、ラッシュ時の、各道路の通行量のバランスをとるため、北京市はこれから、カーナビゲーションを含む進んだ交通システムの確立に力を入れていくことになっている。
推計によると、2008年北京オリンピックの開催時、北京は、各国の選手や試合関係者、それに観客などおよそ60万人を迎えることになる。こうした人々により良いサービスを提供するため、北京市はさらに交通整備に力を入れている。
これについて、劉副主任は「試合のスケジュールに合わせて公共交通システムを調整する。オリンピック専用のバス路線34本の整備も予定している。これらの路線は、大会の日程に合わせて順次開設する」と語った。
劉副主任によると、北京市は、オリンピック期間中、夜間バスを増やし、24時間運行する公共交通網の整備にも乗り出している。このほか、地下鉄の運行時間やタクシーの営業時間も、大会のスケジュールに合わせて調整することになっている。
「中国国際放送局 日本語部」より2006年12月15日 |