(3)北京GDP成長率に貢献
資料によると、北京五輪の総投資高は2800億元を上回り、その他に1兆5000億元の投資をけん引したとされ、過去最高の五輪投資となった。今年の五輪は全国のGDP(国内総生産)成長率に0.3~0.5ポイント、北京のGDP成長率には2.0ポイントほど貢献する見通しだ。このため歴代五輪と比べ、北京五輪は中国にとって特殊な意義がある。その意義として▽第一に、直接投資の規模が2800億元と過去の五輪よりも桁外れに多く、経済の直接けん引効果が顕著であること▽第二に、北京五輪は若干の新興産業を生み出すきっかけとなる。第3世代携帯電話(3G)やデジタルテレビはどれも北京五輪の開催を機に大規模に発展した例だ▽第三に、五輪開催は中国の経済メカニズムの調整にとって重要な時期に遭遇。ちょうど投資が消費に転じる時期にあたり、五輪開催によって消費者の自信と成長期待を大きく刺激し、経済メカニズムのより良く速い転換を促した――。
北京は五輪経済の直接的受益者で、垂直的に五輪の経済効果を分かち合うことができる。2800億元の投資は交通インフラ、競技会場、環境保護、情報通信などの面に分布して行った。北京は10年近くGDPの年平均成長率を10%に維持している基盤の上に、五輪の大規模な建設が毎年2~4ポイント上乗せされ、さらに30万の就業機会を創出した。五輪特需を受けた典型的な業界は観光業・運輸業・小売業などだ。
五輪効果は一般に2つの面で開催国の観光市場の発展を後押しする。短期的には直接観光客を増やし、中長期的には観光ブランドや観光施設など観光資源の建設や整備に大きな促進作用を果たす。北京に今年訪れる外国人観光客は一昨年よりも23%増の480万人、観光による外貨収入は一昨年よりも20%増の48億ドルに上る見込みだ。人とモノの流れが短期間に集中することで運輸業の発展を刺激し、特に航空便を始めとした交通便では出場選手や世界各地からの観衆などによる旺盛な需要を維持することになる。
小売業からすると、五輪は主に2つのビジネスチャンスをもたらす。▽まず、五輪グッズの専売店に収益をもたらし、▽次に、観光客が増えることで現地の消費が増加する――というチャンスだ。
中国にとって五輪のプラス影響は消費のグレードアップと伴に、小売業に長期的な利益を生み出す。北京五輪グッズの販売総額は今年80億元にのぼる見通しだ。
「人民網日本語版」より2008年8月5日
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