開会式の総合演出を手がけた張芸謀(チャンイーモウ)氏は、外国人がわずか50分のアトラクションを見て、すぐに文化を理解できると期待していないという。しかし、中国文明の深遠さを表現すると同時に、それを表現する上で、自分だけがわかって、他の人は何も感じないようではいけない。外国の人にもすべてではなくても分かってもらうため、相手の立場に立って考える。中国人が外国の文化祭を見て「美しい」と感じる、その国の人々のロマンチックな雰囲気を感じるだけで十分だ。「文化というのは知らずのうちに感化するもの。開会式で中国人が創り出した「美」、中国人が表現する夢とロマンと情熱、それに五輪精神への称賛を感じてもらうだけでいい」と開会式の演出に込められた思いを語る。
また、開会式の全過程で最も本質的かつ最も直接的な表現の追求が必要だったという。いわゆる本質というのは全人類共通の追求。開会式で世界各国の子供たちの笑顔が数千枚登場する。こういった最も直接的かつ簡単な方法は、「子供は未来の代表」という私たちが伝えたいことが一目でわかる。
さらに、演目の始めから徐々にはっきりと仕上がっていくあの「山水画」は、山・川・大地・太陽、そして絵を描く子供たちの笑顔、選手たちが残した足跡で最終的に完成。この絵画を創作する過程で、「一つの世界、一つの夢」というスローガンの色合いが直接伝わるようになっている。
「人民網日本語版」2008年8月7日 |