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女子バレーボールの勝敗は国運と結び付けない
発信時間: 2008-08-20 | チャイナネット

 

テレビを前にして、すべての中国人はいずれもその時点に歓呼した。その日の夜、清華大学の8000人の学生たちは喜びに満ちて、キャンパスの中でお祝いのデモ行進をした。清華大学にある観閲台の前で、学生会主席の林炎志さんは学友全体を前にして、「中国女子バレーボールは勝利のニュースが次々伝わって来たが、私たちはこれからどうすればよいのか?私たちは中国女子バレーボールに学び、優れた学業の成績で国と人民のために尽さなければならない!」と呼びかけた。清華大学の近くの北京大学のキャンパスでも、こうした沸き立つ光景が見られ、7000数人の学生たちはドラや太鼓を打ち鳴らし、爆竹を鳴らし、歌ったり踊ったりして喜びの気持ちをあらわにし、五四運動場でかがり火の祝賀の夕べを催した。

北京以外でも、当時の中国の各地では、あちこちで歓声が沸き上がった。各界の人々は女子バレーボールチームの勝利を祝うと同時に、すべての人たちが意欲満々と自分たちの決意を表明し、女子バレーボールを手本とし、彼女たちの敢闘精神を学ぶ気持ちを表わした。

 

女子バレーボールのこの心意気は前世紀80年代の中国の振興を目指すためのシンボルとなり、当時の中国はあまりにも「世界レベルの勝利」をもってでみずからのアイデンティティを示し、それを奮い立たすことを必要としていた。(文化大革命の)混乱の収拾と改革開放を実施し始めた当時、かなり多くの国民は歴史の傷跡をいやし、歴史を反省し、意識の上でも目覚めはじめ、そして挫折感も多くの人々に「精神的な支え」を手にすることを願わせることになった。当時、農家を単位とする生産量リンク請負責任制がすでに実施され、農民はすでに食の問題を解決し、「万元戸」(年収が一万元を超える農家)が農村に現れ始め、農村と都市の個人経営者もどんどん増え始め、市場ではさまざまな商品がいっそう豊かになり、中国の人たちの就業と富を作り出す道は広げられ、民衆は改革の道に沿って意気軒昂とし、それを背景として、中国女子バレーボールチームの優勝を勝ち取ったこともおのずから国民の心を奮い立たす「大きな祝い事」となったのである。

 

前世紀80年代に、中国の人々が女子バレーボールチームによってつかみ取ったのは自信と勇敢に勝利を勝ち取る精神であった。今日、より多くの中国の人たちはスポーツが自分たちにもたらしてくれる楽しみ、スポーツそのものを楽しみ始めているのである。前世紀80年代を顧みて、中国の人たちのスポーツとそれによる勝利に対する姿勢から、私たちはオリンピックはずっとわれわれの成長に伴ってきたものであることを驚きをもって気づいている。競技そのものは成敗を問わず、私たちがいま一度それを国運と結び付けてあれこれと思いをめぐらせることはあり得ないのである。

これこそ本当の成熟と進歩である。

 

「チャイナネット」2008年8月20日

 

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