北京五輪の3種目で世界新を打ち立てた短距離スターのボルトが23日、四川大地震の被災者となった子どもたちに向けて5万ドルを寄付した。同日の贈呈式では、中国赤十字基金会の劉選国・秘書長がボルトから寄付を受け取った。四川被災地の中学生は自分たちで書いた絵をボルトにプレゼント。3枚の金メダルを手にしたボルトは愛のこもった心を中国に残した。「新華網」が伝えた。 「四川大地震の様子はテレビで見て、つらい気持ちになった。四川の子どもたちに何かをしたいと考えていた。私の力には限りがあるけれど、やるべきことをやって、いくらか安心している」。ボルトは21日に22歳の誕生日を迎えたばかり。記者の質問に答えながら、カメラに向けて子どものようにいろいろなポーズを取ってみせた。 贈呈式の終了後、ボルトは新華社のインタビューを受け、「中国の人々が五輪を通じて悲しみから立ち直ることを願っている」と語った。「私たちはここに来て、全力を尽くして試合に臨んだ。私たちの走りが、過去を忘れて前に向かうエネルギーを人々に与えたことを願っている。オリンピックは人類による不断の前進と進歩を追求するものだ。中国の人々にも、五輪大会から力をくみ取り、災難のなかから回復してほしい」。 ボルトは北京に来る前、ジャマイカ代表団とともに天津でトレーニングをした。その時、震災救助をテーマとした絵をボルトに贈った画家がいたという。「その油絵はまだ手元にあるし、ジャマイカに持って帰ってからも大切にしようと思う。中国の人々の地震に立ち向かう精神をその絵から感じることができるからだ。このような精神にはとても敬服させられる」とボルトは語った。 「人民網日本語版」2008年8月23日 |