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japanese.china.org.cn |04. 07. 2019

エジプト訪問記(一)アレクサンドリア、地中海の「新婦」

タグ: アレクサンドリア エジプト 青い海 

色彩斑斓的船只停泊在一望无际的大海上

 

文章・写真=葉飛

 この星にはアレクサンドリアという名の都市が34ある。いずれも古代ギリシアの有名なアレクサンドロス大王がユーラシア・アフリカに跨る帝国を築いた後に名付けられた。情報によると大王は生前、この都市を最も愛したというが、再会は死後になってからだった。筆者は大王の強い意志に尊敬を禁じ得ない。エジプト人は現在もアレクサンドロス大王の墓がこの都市の地下にあると信じている。発掘調査により多くの歴史の謎が解かれるかもしれない。

 

 西洋人はエジプトのアレクサンドリアを「地中海の新婦」と呼ぶ。地中海に抱かれ、一年を通じ清らかな風と麗らかな日差しに恵まれているからだ。結婚を待つ新婦のように両手を広げ、大空の海鳥と共に羽ばたき、波しぶきを立てている。

 

 ただエジプトの妃とローマ人の愛を目撃したアレクサンドリアは、ファラオ時代の最後の栄光を通り過ぎた。その後ローマ人、ペルシャ人、アラブ人、トルコ人などが走馬灯のように登場し、フランス人と英国人が訪れた時には貧しい小さな漁村に落ちぶれていた。19世紀に入りムハンマドが訪れると、そのほこりがようやく払われ、徐々に輝きを取り戻していった。

 

 筆者は午後、海沿いの港を歩き、青い海と空の間を船が行き来するのを目にした。白い雲がこの美しい油絵のアクセントになっていた。すべてが千年前の、当代きっての美しさと変わりがないようだった。

 

 海の遠くには新市街地があり、高さの不揃いなビルが林立し、現代と歴史の間を彷徨っていた。振り返ると旧市街地で、すべての建物の塗装が海風の侵食によって剥がれ落ち、新たな色に塗り直されるのを待っていた。筆者はこの最も美しい「地中海の新婦」のことが心配になった。いつになれば輝かしい新郎を迎えることになるのだろうかと。


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