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japanese.china.org.cn |18. 01. 2020

巨大電波望遠鏡「中国の天眼」、正式に運用開始

タグ: 電波望遠鏡 貴州省 技術 FAST

“中国天眼”通过国家验收 科学潜力逐步显现[组图] _ 图片中国_中国网



「中国の天眼」といわれる国の重要な科学技術インフラである直径500メートルの球面電波望遠鏡(略称FAST)が11日、国の検証を終え、正式に運用が始まった。


 FASTは、貴州省の天然カルストの巨大な窪地を利用して世界最大の電波望遠鏡を建設するという南仁東氏を代表とする天文学者らが90年代に打ち出した構想。5年半の歳月を経てチームは、超巨大サイズ、超高精度といった技術的難題を克服、計画通りクオリティの高い任務を遂行し、2016年9月25日に起動、調整段階に入った。


 世界的には従来の大型電波望遠鏡の調整は一般的に少なくとも4年はかかるとされる。しかもFASTは受信面積が巨大なため、その構造やシステムはより複雑になっている。チームは2年にわたる緊迫した調整作業により、追跡、ドリフトスキャン、モーションスキャンなど複数の観測モデルを実現、多くの重要指標で予想を上回った。2019年4月に技術検証を終え、国内の天文学者に試験的に開放された。FASTの試験運用後、設備の稼働は安定しており、その感度は直径が世界2の電波望遠鏡の2.5倍以上。中国が建造した電波望遠鏡が初めて主要性能でトップになった。また、FASTは調整段階で価値ある科学データを取得し、段階的な科学的成果を上げた。


 国家検収委員会によると、FASTプロジェクトは独自のイノベーションを数多く実現、中国の電波天文に関する研究と技術の水準を大幅に引き上げ、関連産業の技術革新と発展を促し、大きな社会効果をもたらした。FASTの総合的な性能は世界最先端で、中国の天文学が重大な独創的発展を実現するうえで重要な意義がある。


 中国科学院院長で、党組書記の白春礼氏は「FASTはまったく新しい設計理念を採用、建造場所に貴州省のカルストの窪地を利用し、大型望遠鏡の建造における新たなモデルを打ち立てた。FASTは世界最大口径の電波望遠鏡として、独自のイノベーションを数多く実現し、中国の関連学科、関連分野・産業の技術水準と独自の革新力を大幅に引き上げた」と言及。


 性能の向上に伴い、FASTはそのポテンシャルを徐々に発揮しつつある。これまでに146個の高品質パルサー候補天体を探査し、うち102個はすでに認証された。さらに偏光校正を実現し、革新的な方法で銀河系惑星間磁場を探査。その高感度により今後3~5年で低周波重力波探査、高速電波バーストの起源、星間分子など最先端の方向で突破口を見出す可能性がある。


 国家天文台は国内外の専門家を積極的に募り、いかにFASTの優れた性能を生かし、国内外での開放・共有を強化し、大きな成果を生み出す後押しをし、世界の科学技術の高峰に上りつめるかを研究している。


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