職務を果たす代表のエピソード、農民工に尽くす元農民工

　全国人民代表大会(全人代)の袁海波代表はかつて1人の農民工(農村部からの出稼ぎ労働者)だった。2010年に当時19歳だった袁氏は、家庭の貧困により出稼ぎ労働者になった。しっかりした働きぶりで、人にやさしく友好的で、よく農民工のために仕事を探し労働紛争の解決に当たったことから、仲間たちから信頼を得た。2018年には第13期全人代代表に選ばれた。

　農民工出身である袁氏は、故郷を離れ外で働くのが大変であることを熟知している。より多くの農民工が順調に就業できるようにするため、袁氏は市場リサーチを経て2020年3月にUターンし、雲南源拓企業管理有限公司を設立し、農民工と雇用主向けの人材派遣サービスに専門的に取り組んだ。袁氏は企業設立後に東奔西走し、省外に延べ1万人超の農民工を送り出した。

　袁氏は現在、農民工から企業の総経理、農村の所得増の牽引者になったが、「元農民工として農民工に尽くす」という初志を忘れたことがない。