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japanese.china.org.cn |19. 06. 2023

中国武術の名家・張全亮氏、呉式太極拳を世界に広める

タグ: 太極拳 伝統 武楽 ユネスコ 世界無形文化遺産
中国網日本語版  |  2023-06-19

中国武術の名家、呉式太極拳の伝承者の張全亮氏

 6月中旬の北京。正午を過ぎたばかりで気温が39度に上がった。白衣の高齢者が片手に色艶のいい2個のスイカを持ち、朗々とした声を上げ大興区の鳴生亮武学研究会に入った。この人は国家級無形文化遺産「呉式太極拳」の代表的な伝承者である張全亮氏で、今年82歳になる。武術を始めて70年弱で、太極拳を始めて30年超になる。耐え難い猛暑日も、張氏は妻の馬永蘭さん(81)と共に数十段の階段を上がり屋内に入る。落ち着きのびのびとした様子で、顔も若々しい。

武術を愛し、道を極める

 張氏は1941年に大興に生まれる。幼い頃に病弱だったため、1953年より少林拳や八卦掌などの武術を始めた。心と体を鍛え、武術への熱意に火がついた。武術を習い、伝え、広める人生を始めた。

 大興建築工程総公司で勤務していた張氏は70年代前半、有名な武術の大家で呉式太極拳の達人の王培生氏が西城少年宮で毎週2回夜教えていることを知ると、ためらうことなく学習に向かった。大興から西城までの距離は片道26キロ。交通の便が非常に悪かった当時、張氏は自転車で往復するしかなく、1往復で4時間以上かかった。しかし武術への熱意から、風雨をものともせず4年半続け、呉式太極拳の拳術・拳法、武器を使った型、文化理論を系統的に学び、武術の確かな基礎を固めた。

伝承と普及を立志

 張氏は1985年に正式に王氏に師事し、呉式太極拳の直系の伝承者になった。張氏はその後、呉式太極拳を守るという志を立てた。

 時代の発展に伴い、太極拳は大衆の健康促進に向け発展した。張氏は時代と共に進み、難易度別に呉式太極拳の10式・18式・28式の3種の型を作り、各レベルの練習生の需要を満たした。これは呉式太極拳の普及を力強く促した。

 張氏は2001年に定年退職後に執筆、道場開設、オンライン大教室の開設などの手段を通じ、中国の伝統武術を伝える道を歩いた。張氏は現在まで11冊の専門書を出版し、20数枚のディスクを販売し、300編超の論文と文章を発表している。多くの太極拳学習者に利益を届け、好評を博している。

弟子と一緒に太極拳を披露する張全亮氏

 張氏は2005年に北京鳴生亮武学研究会を創設し、呉式太極拳を中心とする伝統武術をよりハイレベルにするため重要な場を築いた。鳴生亮武学研究会が伝承し申請する「呉式太極拳(北京)」が、2009年と14年に北京市及び国家級無形文化遺産に登録された。代表的な伝承者である張氏はその名に恥じない中国武術の名家になった。

世界進出で夢を叶える

 また張氏は各種国際交流に積極的に参加し、太極拳の世界的な影響力の拡大に全力を尽くしている。張氏は現在まで十数カ国で太極拳の授業、模範演技、交流イベントに参加している。さらに欧州太極拳文化交流センター終身名誉主席、米国中医薬太極拳国外研究院客員教授、日本八卦掌研究会顧問などを歴任し、太極拳の国際的な地位を高めるため最前線を走っている。

「世界無形文化遺産代表作リスト」登録を記念する中国太極拳の7大流派の代表

  国家主管部門の支持の下、多くの苦しい取り組みを経て、2020年12月17日、呉式太極拳は陳・楊・武・趙・李・王の6大流派と共に中国の太極拳を代表し、ユネスコの「世界無形文化遺産代表作リスト」に登録された。この情報が伝わると、80歳の誕生日を迎えようとしていた張氏は喜びもひとしおだった。鳴生亮武学研究会は当時すでに、全国及び海外で30超の支部と100超の道場を作り、世界で10万人弱の会員を擁していた。

 一部の統計によると、全世界の太極拳人口は現在1億5000万人を超え、150超の国と地域で普及している。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年6月19日