見所満載のSFパーティー、ワールドコンが成都で閉幕

　世界SF大会(ワールドコン)2023が22日、成都市で無事閉幕した。中国でのワールドコンの開催は初。世界トップレベルのSF作家、編集者、業界関係者などが集まり、展示、フォーラム、サロンなどの200回余りのテーマイベントが催された。世界のSFファンは見所満載のSFパーティーを楽しんだ。

　開放的で多元的で豊富、未来の想像に火を灯す

　今年のヒューゴー賞が21日夜、ワールドコン2023で発表された。中国人作家の海漄氏の「時空画師」が中編小説部門に選ばれた。

　ヒューゴー賞の中国での発表と授与も初。この栄誉を海漄氏に授与したのは、中国人として初めてヒューゴー賞を授賞した劉慈欣氏だ。トロフィーが手渡されると、現場では割れんばかりの拍手が響き渡った。

　ワールドコン2023の共同議長のBen Yalow氏は「見所満載のワールドコンだ」と述べ、称賛を惜しまなかった。「西側の読者は本大会により中国の巨大なSF市場とファンの数を目にし、より多くの中国文化の元素を吸収する機会を持てる。また中国のSFファンがこの機会を利用し、世界各地のSFファンと交流を促進することを願う」

　産業の台頭が加速、イノベーションの活力を刺激

　天府SF映画展、ワールドコン第1回産業発展サミットといったオールスターのSFの祭典において、SF業界関係者が一堂に会し、中国のSF産業の今後の発展について議論した。

　「流浪地球」の映画版や「三体」のドラマ版などの国際的な影響力を持つ国産SF映像コンテンツが近年続出し、中国SF産業の発展も注目されている。5月に発表された「中国SF産業報告書2023」によると、中国の22年のSF産業の総売上高は877億5000万元で、全体的に安定しつつ好転という発展の流れを呈した。

　Ben Yalow氏ら業界関係者は、本大会は「SFブーム」の持続的な活況をけん引するとの見解を示した。「SF+文化観光」「SF+アニメ・漫画」などの新興業界の台頭に伴い、中国のSF産業の川上・川下チェーンが徐々につながり、中国SF産業により多くの優秀IPが誕生し、人々により豊富で興味深いクロスオーバーで多元的なSF体験をもたらし、都市の経済発展により多くの原動力を注ぐという。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年10月23日