創造革新型国家
民営企業の自動車メーカー吉利公司が誕生したばかりのころ、銀行にも信用されず、業界でも認められず、自動車部品メーカーに部品を供給してもらうことでもスムーズにはいかなかった。しかし、10数年の奮闘を経た現在の吉利公司はどうなっているだろう。数十万台の吉利の車が全国各地を走っているばかりでなく、外国にも輸出され、製品のオールデジタルモールド開発も実現し、グレードアップが加速し、自主研究開発のトランスミッションなどのコアとなる部品の国産化率は100%に達している。企業は技術革新の主体であるが、なが年来、中国企業の自主的創造革新能力は弱く、「一台のコンピュータを売った利益では一束のネギしか買えず、10億点ものシャツを売てもわずか一台のボーイング機と交換することができない」という苦しみを嘗め尽くした。厳しい現実は、中国の政府、企業と科学研究部門に「中国製」から「中国で開発」への転換を促した。2005年に全国で研究開発に投入された資金はGDPの1.34%である2450億元に達した。2010年にはこれについての資金投下は約5300億元にすることを政府は考えている。これと同時に各地では企業奨励、創造尊重、革新奨励など一連の政策措置を打ち出すことになっている。中国のシリコンバレーと呼ばれている北京の中関村には海外留学した起業者が数多く集まり、彼らの創造革新能力はさらに広範な地域の発展を牽引するエンジンとなるであろう。「自主的創造革新能力を向上させ、創造革新型国家を構築する」ことは、これからの中国の発展戦略の内容のひとつとなっている。
「チャイナネット」2007/11/05