北京で開かれていた朝鮮半島の核問題をめぐる第6回6カ国協議の第二段階会議は3日、閉幕した。会議は「共同声明の実施に関する第二段階行動」に関する合意文書を採択した。これは6カ国協議が新たな段階に入ったことを示すものだと見られている。
3日午後、第6回6カ国協議の議長を務める中国代表団団長の武大偉外交副部長は北京で記者会見を開き、合意文書を発表した。武外交副部長は、「合意文書に基づき、朝鮮は既存のすべての核施設について、廃棄を目標とした無能力化に同意した」などと次のように語った。
「2007年12月31日までに、ニョンビョンにある5兆ワットの実験用軽水炉や後処理場(放射化学実験室)、それに、核燃料の部品製造工場を無能力化する。ほかの国の求めに応じて、アメリカが無能力化の実施を主導し、初期段階の資金を提供する。具体的には、まず、アメリカは2週間以内に専門家グループを朝鮮に派遣して無能力化のための準備に取り組む。朝鮮は『2・13合意文書』に基づき、今年12月31日までに、すべての核計画を正確に申告することに同意した。一方、アメリカが朝鮮のテロ支援国の指定を解除し、朝鮮に対する『敵国貿易法』の実施を中止するという約束については、アメリカは朝米関係正常化作業部会の共通認識に基づき、朝鮮の行動を見た上で、約束を履行する」と語った。
この合意文書によって、朝鮮とアメリカは二国間関係の改善に取り組み、また、朝鮮と日本も「ピョンヤン宣言」に基づいて歴史問題を清算し、懸案を処理した上で、国交正常化の早期実現に努力する。その見返りとして、朝鮮は100万トンの重油に相当する経済や、エネルギー、人道主義的な援助を得ることになる(すでに提供した10万トン重油を含む)。
今回の6カ国協議は9月27日から4日間にわたって行なわれた。その間、6カ国は全体会議、団長会議、二国間交渉など、さまざまな形式によって関連問題を協議した。中国は議長国として、各国の意見を聴取した上で、合意文書の草案を策定し、修正を繰り返した。合意文書は各国政府から承認を受ける必要があるため、先月30日、6カ国協議は2日間の休会に入った。
6カ国協議について、中国社会科学院の国際問題専門家金熙徳教授は、「合意文書の発表によって、6カ国協議は新たな段階に入った」と指摘した。金教授は次のように述べた。
「6カ国協議は今後も前に向かって進み、元の段階にとどまってはならない。第一段階、つまり申告の段階を確認してから、次は無能力化に進むべきだ。第二段階のカギは核査察である。第三段階では、朝鮮とアメリカの国交正常化を実現すべきだ。朝鮮はアメリカのテロ支援国のリストから解除されることを求めている。現実的な問題はタイムテーブルの問題だ。2007年12月末までに前向きに進むかどうかがとても重要だ」
金教授の分析によると、ブッシュ大統領の任期は来年で終わる。ブッシュ大統領は任期が終了するまでに、朝鮮半島の核問題で大きな進展を望んでいる。その進展があれば、朝鮮半島の核問題の解決や、米朝関係の改善に非常にプラスになる、と見られている。
「中国国際放送局 日本語部」より2007年10月5日