新疆の発展と進歩

三、各種の社会事業がたえず発展している


辺ぴな地域の少数民族の学生により高いレベルの基礎教育を受けさせるため、2000年から、国は北京、上海などの経済が発達した12省(直轄市)の13校の中学校に新疆高校クラスを設けてきた。2008年現在、新疆高校クラスは12省(直轄市)、28都市の50校にまで拡大し、募集規模は最初の1000人から5000人にまで増大している。現在までに累計で9期、2万4000人の学生募集を達成し、卒業生の90%以上が順調に内地の大学に合格し、その中の85%の卒業生は重点大学に合格している。2003年から、新疆自治区人民政府は内地の新疆クラスの形式を参考にし、ウルムチ、石河子など新疆の8都市で自治区内の中学クラスを開き、現在、毎年5000人を募集している。中学クラスは主に農牧地区の郷(鎮)、村の小学校あるいは貧困な辺境県・都市の小学校のその年度の卒業生を募集しているが、そのうちの80%以上が少数民族の農民・牧畜民の子女である。

1949年以前、新疆の科学技術事業は空白状態にあった。60年の努力を経て、新疆にはすでに専門分野が比較的整い、配置が比較的合理的で、また区域の特徴も備えた科学研究・開発システムが確立され、学術的な造詣がかなり深い多民族の科学研究陣が育成されている。2007年末には、地方人材の総人数は197万2000人に達している。2008年末現在、合計6000余項目の重大な科学技術成果を成し遂げ、200近くの項目がたえず国家クラスの奨励を獲得し、申請した特許は20余万件にのぼった。科学技術型企業の創造革新能力が強化され、「金風科技股份有限公司」、「特変電工股份有限公司」などの国際的にも名を知られる一連のブランドが現れている。

新中国の成立以前、新疆には専門の文芸団体が1つもなく、また芸術研究機構も全くなかった。60年来、国の強力な支援の下で、新疆の各種文化施設がちくじ確立し、一定規模に発展し、各民族の大衆文芸活動が豊かで多彩になっている。2008年現在、自治区全体には合わせて芸術団が119、文芸科学研究機構が2、芸術創作機構が2、大衆芸術館が15、文化館が94、郷鎮文化ステーションが1034あり、専門的に創作に従事する各民族の文化従事者は4355人に達している。また公共図書館が93、博物館が47ある。自治区クラスのラジオ放送局は6、テレビ局は8あり、放送とテレビのトータルな人口カバー率は平均して93.5%となっている。ケーブルテレビのユーザーは163万8900世帯、ケーブルデジタルテレビのユーザーは32万4200世帯に達している。西部大開発戦略を実施して以来、国は24億8400万元の特別支出金を拠出し、新疆の文化建設を強化している。近年来、新疆の各地は「百日広場文化活動」や「郷村百日文化娯楽・スポーツ競技」、文化・科学技術・衛生の「三下郷」(文化・科学技術・衛生という3つを農村に送り届けること)活動を幅広く展開し、前後して「百県千郷文化宣伝プロジェクト」、「民族民間文化保護プロジェクト」、「シルクロード辺境文化回廊建設」、「万村書庫」プロジェクト、ラジオ・テレビがカバーする「チベット・新疆プロジェクト」、図書出版の「東風プロジェクト」、「文化情報資源共有プロジェクト」などの文化建設重点プロジェクトを実施し、新疆の文化事業の発展を強力に推し進めている。

新中国の成立以前、新疆の医療・衛生レベルは極めて低く、風土病、伝染病が頻発し、人口死亡率は20.82‰、嬰児死亡率は420〜600‰までに達し、平均寿命は30歳にならなかった。1949年、新疆には医療機構が54カ所、ベッド数が696床しかなく、1万人当たりのベッド数は1.6床で、医者は1万人当たり0.19人しかいず、衛生機構は少数の都市(鎮)に集中していた。60年来、政府は医療衛生面への投資をたえず拡大し、2008年、新疆には各種の衛生機構が7238カ所ある。そのうち、各種の病院が1629カ所あり、ベッド数は9万3600床、医者は4万3800人で、1万人当たりベッド数は36床、医者は21人を擁するまでになった。衛生防疫機構は無から有になり、都市・農村の衛生防疫体系が比較的完全に形成され、疾病の予防と撲滅のレベルと能力が顕著に高まり、天然痘などの一部の風土病を撲滅し、各種の風土病と伝染病の発病率を大幅に引き下げた。20世紀70年代の中期から、新疆は計画免疫を試行し、計画免疫に組み入れた各種のワクチンの接種率は年々増えている。医療・衛生レベルが絶え間なく向上するにつれ、人民の健康状況は大いに改善され、人びとの体質も著しくアップした。2008年の人口死亡率は4.88‰、嬰児死亡率は29.76‰になり、平均寿命は72歳に高まった。広大な農牧地区の医療・衛生の条件が明らかに改善され、県、郷、村の3つのクラスの医療予防保健網が形成された。2003年、新疆は新型農村合作医療制度を実施し始めた。2008年にはすでに新型農村合作医療活動を展開した県(市)が89に達し、1005万9000人の農業・牧畜業人口をカバーし、農村合作医療に加入した農牧民は950万3000人に達し、そのカバー率と参加率はそれぞれ94.6%と94.5%に達した。

就業は人民生活の基本である。多年来、新疆は積極的な就業政策の実施を堅持し、経済の持続的、急速な発展で就業の増大を促し、さまざまな措置をとって就業創出を増やし、就業規模を拡大している。2008年、新疆の就業人口は847万5800人に達し、都市の登録失業率は3.7%であった。西部大開発戦略を実施して以来、新疆では毎年30万以上の人が就業・再就業を実現した。新疆の人的資源市場は無から有に、小から大に発展し、人的資源配置における市場メカニズムの基礎的な役割が基本的に確立された。県・区以上の総合的なサービス機構、町(郷鎮)のコミュニティの末端サービス窓口、および各種サービス団体で構成する公共就業サービスシステムが初歩的に形成された。2008年、新疆には住民サービスとその他のサービス業機構が107社あり、従業員は3944人に達した。

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