新疆の発展と進歩

三、各種の社会事業がたえず発展している


近年来、労務輸出は新疆の就業拡大にとって新たなルートになっている。南疆などの辺ぴな農牧地区の農民の非農業収入の比率低下と貧困を脱して豊かにするという難しい問題を解決するため、労務輸出は2006年からじょじょに南疆の伽師(ファイザバード)県から新疆全域へと推進されている。新疆の農民・牧畜民は自主的な応募や職業技能育成による選抜などを通じて、需要のある内地企業の中から自分の勤め先を選んでいる。また政府の出資により、チームの引率者と新疆のイスラム料理のコックを選出し、農民・牧畜民と一緒に派遣している。伽師県は2006年から今まで、内地の企業に延べ1万9000人の労働力を送り出した。県の労務収入は2億元に達し、年間1人当たりの純収入は7000元を超え、2008年の新疆の農民・牧畜民1人当たりの平均収入を1倍上回った。政府は農民労働者の育成に力を入れており、毎年外へ出て就業する農民労働者のために支出する訓練費用だけで3億ないし4億元に達している。

改革開放以来、新疆の社会保障は無から有へと、徐々に体系が整い、各民族大衆の基本的な生活が保障された。2008年、新疆には都市部の各種のコミュニティサービス施設が799あり、基本養老保険、失業保険、医療保険、労災保険、生育保険など5つの保険の加入者は964万5700人に達し、都市部住民のうち、63万8000人が政府の最低生活保護の補助を受けている。各種の収容施設のある社会福祉機関は1万9000のベッドを有し、さまざまな人びとを1万4000人収容している。2007年7月から、新疆は農村最低生活保障制度を全面的にスタートし、1人当たり年間平均収入が700元以下の農民・牧畜民に補助を与えることを決めた。農村住民の最低生活保障制度が確立し、新疆では2008年に経済的に困窮している131万人の農民・牧畜民が最低保障待遇を受けた。新疆の医療補助活動は急速に発展している。2007年末までに新疆自治区全体のすべての県(市、区)には都市・農村医療補助制度が確立された。2008年、自治区全体で合計216万4000人を補助したが、そのうち保険や新型農村合作医療の加入者は122万6000人であり、直接補助したのは93万8000人で、支出額は3億1000万元である。

新疆地区は広大であり、地域ごとの発展がアンバランスである。20世紀80年代中期から、新疆は農村貧困人口の衣食問題の解決を主な目標とし、貧困地区の経済・文化の立ち後れた状態を変えることを重点とする大規模な貧困扶助開発を展開してきた。また単純な救済式の貧困扶助から組織的、計画的、目標のある開発式貧困扶助へと転換した。1978年から2008年までに、新疆の貧困人口は532万人から253万人に減り、貧困人口の生産・生活条件は明らかに改善された。近年来、国は厳しい貧困状況にある「南疆三地州」への貧困扶助にたえず力を入れている。2001年から2007年までに、中央と自治区が貧困扶助に拠出した、財政資金や救済の代わりに仕事を与えるための資金やクレジットローンの金利資金は、その78%以上が「南疆三地州」に投入され、また貧困扶助プロジェクト全体の70%以上が「南疆三地州」に配置された。2004年から、新疆は地震の頻発、多発地区に耐震安全住宅プロジェクトを実施し、6年間かけて地震の多発、頻発地区の民衆を耐震安全住宅に移住させることを計画した。2008年末現在、都市・農村の耐震安全住宅プロジェクト建設資金は累計して412億元投入され、189万5000戸の耐震安全住宅が新・改築された。そのうち「南疆三地州」の農村では合計74万2300戸の貧困農民・牧畜民が耐震安全住宅に入居している。

   前のページへ   1   2   3