中国の民族政策と各民族の共同繁栄と発展

七、少数民族幹部と人材の育成を強化する


国は計画的に幹部交流、職務転換を行い、多くの少数民族幹部を選んで、内地、末端組織、上級機関に出向させて臨時職務を担当させることにより、少数民族幹部を実践の中で成長させている。1990年から、国は西部地区や他の地区の少数民族幹部を選んで中央または国家機関や経済が相対的に発達している地区に派遣して臨時職務に就かせている。この20年内に、一時的に出向した幹部は合計5000人以上に達し、民族地区のために多くの党政リーダーや科学技術者や経済管理のエキスパートを養成し、民族地区の指導グループと幹部陣の構築を大いに推進し、民族地区の経済社会をよりりっぱかつ迅速に発展させている。

数十年のたゆまぬ努力を経て、少数民族の幹部陣はたえず力強く発展している。2008年末までに、少数民族幹部は290万人を超え、1978年より3倍増えた。全国の公務員のうち、少数民族は9.6%を占め、そのうち県・処クラス以上の少数民族幹部がこのクラスの幹部総数の7.7%を占めている。中央と地方政府の国家権力機関、行政機関、審判機関、検察機関には、相当数の少数民族幹部がいる。現在、13人いる現職の全人代常務委員会の副委員長のうち少数民族は2人で、9人いる現職の国務院副総理、国務委員のうち少数民族は2人、25人いる現職の全国政治協商会議の副主席のうち少数民族は5人である。

国は民族地区が現代化建設で必要とするさまざまな人材の養成を極めて重視している。国の規定では、大学と中等専門学校が学生を募集する際、少数民族受験生に対しては合格ラインや条件を適当に緩和し、人口の少ない少数民族の受験生に対しては、特別な配慮を行う、としている。こうして毎年、おびただしい数の少数民族受験生が大学の門をくぐっている。さらに民族地区の人材の養成を加速するため、国は内地の重点大学に少数民族予科クラスや民族クラスを設け、現在、毎年募集規模は3万人に達している。1984年、国は北京、天津、成都など内地の大中都市にチベットクラス(学校)を設けることを決定した。この20年余りの間に、中学生、高校生、大学生を合計7万人以上受け入れた。2000年に、国は北京、上海など12の内地の大中都市の13カ所の学校に新疆高校クラスを設けることを決定した。2008年現在、新疆高校クラスは12省(直轄市)の28都市の50カ所の学校まで拡大し、現在までに累計で9期2万4000人の学生を受け入れている。2003年から、国はウルムチなど新疆の8都市が自治区内に中学クラスを開設することを支援している。生徒のうち、少数民族農民・牧民の子女が80%以上を占めている。また2006年から、国は「少数民族ハイレベル中核人材養成計画」を実施している。この計画は特に民族地区から修士、博士の大学院生を募集し養成している。現在まで、同計画は年間の募集数が4700人に達し、在校生は総計7900人余りいる。

国は大学の卒業生が民族地区で仕事に就くことを奨励・誘導しており、1999年からは国の関係部門が「博士奉仕団」の選抜・派遣を行っている。これは中央国家機関の関係部・委員会または東部の相対的に発達した省・市から相前後して1195人の博士号を取得した優秀な青年科学技術者を選び、西部地区、革命老区(古い革命根処地)、少数民族地区に送り、奉仕活動を行わせることで、西部地区の人的、知的支援を行うものである。そのうち、西部の少数民族地区に派遣されたのは403人で、総人数の33.7%を占める。

多年来、国はたえずチベット、新疆など民族地区に幹部を選抜して派遣することに力を入れている。これらの辺境地区の開発・建設を支援する幹部や人材は、刻苦奮闘して創業し、自分の利益を顧みずに貢献し、民族地区の発展を促進する上で重要な役割を果たしている。

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