胡錦濤国家主席は8日、G8サミットが開かれているドイツのハイリゲンダムで日本の安倍晋三首相と会談した。会談では中日両国の戦略的互恵関係の発展について意見交換がされた。両者の主な発言は次の通り。
▽胡主席
安倍首相と日本政府および各界の人々が、中日関係の発展に向け積極的に努力していることを称賛したい。中日関係はさらなる発展への重要な機会を迎えている。この機会をしっかりとつかみ、両国の戦略的互恵関係を前へ進めるためには、まだやらなければならないことが多くある。「千里の道も、一歩から」という。中国側は日本と共に、このための努力をしていきたい。
中日関係の発展は人民も根本的利益に関わることであり、アジアと世界の平和、安定、繁栄にとって重要な影響がある。われわれは常に戦略的角度から中日関係の発展方向を捉え、両国人民の平和共存、世々代々の友好、互恵協力、共同発展のためにたゆまず努力すべきだ。われわれは両国間の3つの政治文書の原則を堅持し、政治的相互信頼の増進、互恵協力の拡大を通じて、両国関係の長期的発展のための強固な基礎を打ち立てなければならない。
互恵互利にある分野では、協力を深め、互恵共栄を実現すべきであり、意見の分かれる分野では、両国人民の根本的利益に重きを置き、適切に処理し、両国関係の大局を維持すべきだ。
歴史問題と台湾問題は中日関係の政治的基礎だ。この2つの問題を適切に処理することが、中日関係の健全で安定した発展にとって非常に大切だ。双方は承諾を忠実に守り、具体的な政策と行動の中でこれらの合意を体現するべきだ。
▽安倍首相
今年は両国の国交正常化35周年であり、文化・スポーツ交流年でもある。日本側はこの機会に、両国関係を戦略的互恵関係の方向へと進めていきたい。
日中共同声明で確立された原則を引き続き順守し、歴史・台湾問題を適切に処理していく。
▽東中国海問題について
東中国海問題について胡主席は、双方が両国関係の大局に立脚する方向を堅持し、東中国海を平和、友好、協力の海にするという大きな目標を堅持し、共に歩み、共に努力しさえすれば、必ずや双方が受け入れられる解決方法が見つかるだろうと述べた。安倍首相も、共同開発の早期合意に向けた期待感を示した。
「人民網日本語版」2007年6月9日