社会保障システムを充実させる。社会保障と就業に振り向ける中央財政の支出は二七六一億六一〇〇万元とし、比較可能な基準値で二四・二%の伸びとする。農村最低生活保障制度の全面的確立と充実化をサポートし、財政補助基準を月一人当たり三〇元から五〇元に引き上げ、中央財政による補助の割合を三分の一から七〇%に拡大させる。都市住民最低生活保障制度の完備化を支援するため二六一億一〇〇〇万元を計上し、二〇〇七年度の財政補助基準が月一人当たり三〇元増であったことをふまえ、さらにそれを倍増させる。一二六三億元を計上し、企業職員・労働者基本養老保険制度の充実化、企業職員・労働者基本養老保険個人口座の積立を確実に行うテスト作業の拡大にあてる。二〇〇八年一月一日から、企業の定年退職者基本養老金の基準を月一人当たり一〇〇元引き上げ、またそれをふまえて、高級技術職の資格を有する定年退職者や、早期退職により基本養老金の受給額が相対的に低い者などについて、さらにその調整額を適宜に引き上げる。中西部地区および旧工業基地に対して、中央財政は然るべき援助を与える。『中華人民共和国就業促進法』の要請に則り、租税・費用の減免、担保付小口ローンへの財政的利子補給、職業訓練補助など就業を促進する税財政政策を確実に実行する。引き続き国有企業の政策的閉鎖・破産の実施、東北地区や中部地区における国有企業傘下の集団所有制企業の改革テストを支援し、三峡ダム地区から転出した移住者の生産・生活面の困難を解決する。
都市における低所得家庭の住宅難の解決を助ける。国務院の規定に定められた資金源の調達ルートを通じて資金の調達を積極的に行い、安価賃貸住宅の建設などに向けた租税・料金面の優遇策を徹底させ、安価賃貸住宅保障制度の確立と健全化を速めるため、中央財政は一七億元増の六八億元を計上する。住宅積立金に関する制度をさらに充実させる。
公共文化サービス体系の整備を推し進める。中央財政は一二億元を計上して、公益性のある博物館、記念館と全国の愛国主義教育モデル基地の無料開放を支援する。農村をカバーする中央ラジオ・テレビ番組の無線発信など農村文化建設の重点プロジェクトを支援するために、三四億元を計上する。末端の文化機構の施設や環境の改善、文化遺産の保護、文化産業の急速な発展をサポートする事業に四一億元振り向ける。二〇〇八年北京オリンピック、パラリンピックをサポートするための資金を二四億二〇〇〇万元計上する。これにより、二〇〇二年度から二〇〇八年度にかけ、中央財政が二〇〇八年北京オリンピック、パラリンピック大会運営の助成金として計上した資金総額は一七三億元に達する。
公共安全の整備を促進する。中央財政は補助金として九四億九〇〇〇万元計上し、貧困地区における公安・検察・裁判所・司法部門の設備購入と法律執行・案件処理をサポートする。末端における人民裁判所の案件処理経費の補助金は四〇億元(二〇〇七年度の留保分一〇億元を含む)とする。刑務所体制改革の全面的な展開を目的とした助成金として、二九億二〇〇〇万元を計上する。「クラス別の管理、クラス別の負担」を主旨とする司法経費保障制度の充実と実施に取り組み、末端の公安・検察・司法機関のインフラ整備を強化する。収支を徹底的に分離させる原則に則って公安・検察・司法部門の重点業務の展開に必要な経費を全額保障し、また訴訟費関連規定の改革後、裁判所経費保障の長期的で効果的なメカニズムを確立する。引き続き製品の品質や食品・医薬品の安全に対する監督・管理活動の経費保障に力を入れる。