12日の夜、中日文化・スポーツ交流年の中国側主催による開幕式が、東京の国立劇場で行われた。日本を訪問している温家宝総理と安倍晋三首相は、この開幕式に出席した。千人あまりの出席者は、開幕式で中国の伝統芸能などを鑑賞した。
温家宝総理は、この開幕式で、次のように述べた。「中日両国には、2千年以上の友好の歴史がある。この歴史の中で、両国は、2つの絆によってしっかりと結ばれている。一つは経済的な絆、もう一つは文化的な絆だ。経済的協力が、両国の国民に実際の利益をもたらすとすれば、文化的交流は、両国国民の心のコミュニケーションを生み出している。この点からいえば、文化・スポーツ交流は両国国民の友情の架け橋だ。中日関係が改善され、発展する鍵となるこの時期に、中日の文化・スポーツ交流が成果を収めることを心からお祈りする」
また、安倍晋三首相は、挨拶の中で、次のように述べた。「今年は、日中国交正常化35周年で、これを記念して日中文化・スポーツ交流年とした。私は日中関係で、政治と経済、この両輪を力強く回していかなければならないと日ごろから話している。しかし、両国の絆をつなぐのは、両国の国民であり、文化であり、また、スポーツではないかと思う。お互いが相手国を理解する上で、文化を理解することはとても大事だと思う」
安倍首相は、さらに、「温家宝総理の訪日によって、日本国民は、中国についてますます注目するようになっている。今後、日中関係がますます発展していくことを期待している。日中文化・スポーツ交流年が成功を収めることをお祈りする」と語った。
この開幕式で、中国の民間の芸術家たちは、「故郷を大事に」という出し物を上演した。この中では、ユネスコの「無形文化財」リストに登録された昆曲、琴などが演じられた。
中国西南部貴州省の村からやってきた女の子たちは少数民族トン族の民謡を歌った。子供たちの自然で素朴な歌声に、観客から大きな声援が送られた。
観客の一人、藤岡さんは、この開幕式が終わった後、次のように感想を語った。「一番印象に残ったのは、操り人形だ。初めて。衣装が変わるのがとても珍しい。日本には、楽器や踊り、人形があるが、国によってぜんぜん違うので、これからもぜひ見たいと思う」
中野良子さんは、中国でもよく知られた日本の女優である。中野さんは、記者に感想を語ってくれた。「それぞれ個性がある。踊りも華やかで、音楽を聴いて踊りを見て、ちょっといってみたいなという気持ちになる。なかなかこのような丁寧な文化交流は、これからの時代にますます必要だね」。
「中国国際放送局」より2007年4月13日