パキスタン訪問中の温家宝総理は6日、アジア協力対話(ACD)第4回外相会合の開幕式で基調演説を行った。演説の骨子は次の通り。
アジアは平和を必要としている。相互尊重、対等な対話、友好的協議、相互理解と相互譲歩が、摩擦と係争を緩和する理性的な選択だ。われわれは全力を尽くし、相互信頼に基づき、永続的で安定した地域平和環境をアジアに創造しなければならない。
アジアは安定を必要としている。アジアの発展途上国は経済発展に力を入れ、貧困と立ち遅れから脱し、貧富格差を縮小し、民主的法制を整え、国家の長期安定を実現する必要がある。
アジアは協力を必要としている。アジアの多様化は国家間の協力に広大な余地を提供した。われわれは経済協力を重点に、各分野での互恵協力を全面的に推進しなければならない。エネルギー開発、環境保護、資源利用、財政金融対話などの重点分野で、整った協力メカニズムを構築し、たゆまず協力レベルを高めていく。地域自由貿易を段階的に進め、貿易摩擦を適切に解決し、相互補完的で多元開放的な、アジア協力の新構造の形成に努めなければならない。
アジアは発展を必要としている。アジアが発展し、人々の生活が改善されることが、世界に対する巨大な貢献である。アジア全体の発展なくして、真の「アジアの世紀」は訪れない。
中国はアジアの一員である。中国の人民はアジア各国の人民と同様に、平和を熱愛し、安定を尊び、協力を模索し、発展に尽力する。長年にわたる探求を経て、われわれは中国の国情に合った発展路線を見出した。つまり中国の特色ある社会主義現代化建設路線であり、平和発展路線である。中国による平和発展路線の堅持は、中国自身が現代化を実現するうえでの客観的必要に基づいている。中国は20年以上この路線を進み、自国を発展させただけでなく、アジア諸国にチャンスをもたらし、さらに世界の平和と発展も促した。中国による平和発展路線の堅持は、誠実で断固たるものだ。国際情勢がどう激変しようが、中国の人民は永遠にアジアの人民が信用し、信頼できるパートナーであり続ける。
中国が発展し強大になると、他国に脅威をもたらすと憂慮する人がいるが、この種の憂慮は全く不要だ。なぜなら、われわれは引き続き(1)自国の問題解決に集中し(2)アジア各国との協力を拡大・強化し(3)歴史が残した問題を適切に処理し(4)地域の問題において建設的な役割を発揮し(5)アジアの開放性維持を支持する――からである。
「人民網日本語版」2005年4月7日