温家宝総理は14日午後、フィリピン・セブで日本の安倍晋三首相、韓国の盧武鉉大統領と第7回中日韓首脳会談を行った。
温総理は「中日韓は互いに隣国であり、東アジアの重要国でもあり、地域の平和と発展の促進に対し、共同責任を担っている。3カ国の根本的・長期的利益への着目からも、地域の調和発展の実現という目標の上からも、中日韓は協力を一層強化すべきだ。これは域内各国人民の共通の願いであるとともに、国際社会の普遍的な期待でもあり、時代の発展の潮流に沿ったものだ」と述べた。
また「相互信頼は協力の前提であり、基礎である。中日韓の間に良好な2国間関係を保つことは、極めて重要だ。3カ国は中日・韓日関係の改善という望ましい流れの維持に引き続き努力し、相互信頼・相互尊重・平等互恵・利益共有を基礎として、3国間協力をたゆまず促進し、東アジアの平和と発展の実現に貢献すべきだ」と指摘した。
3カ国首脳は政治上の相互信頼や互恵協力の強化について意見交換し、次の共通認識に至った。
(1)3カ国首脳の交流を強化し、現在のASEANプラス3(中日韓)の枠組での3カ国首脳会議を継続するが、3カ国持ち回りの首脳会談を不定期に開催する必要もある。
(2)外務高官の定期協議制度を設け、共通関心事である重大問題について意思疎通を行い、互いの懸念を適切に処理する。初会合は今年中国で開催する。
(3)貿易・投資・エネルギー協力を促進する。「中日韓投資協定」締結に向けた交渉を開始し、品質検査協力に関する制度の発足を検討する。
(4)経済・情報産業・環境保護・人材開発・文化協力を強化し、財政と金融・科学技術・衛生・観光・物流・青少年交流を新たな協力分野に定める。
(5)文化交流を促進し、3カ国国民の相互理解と友情を深める。今年を「中日韓文化交流年」と定める。中国は今年、中日韓をテーマに第9回アジア芸術祭を開催する。
温総理は東アジア協力について、「中日韓3カ国は、引き続き開放と寛容、利益共有の精神に基づき、東アジア協力に共に尽力すべきだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)の主導的役割を尊重し、ASEANプラス3を中核に東アジア協力のプロセスを推進すべきだ」と述べた。
また、朝鮮半島の核問題については「中国は対話と交渉を通じた問題の平和的な解決、朝鮮半島の非核化実現、朝鮮半島と北東アジアの平和と安定の維持を堅持するよう主張する。6カ国協議は朝鮮半島の核問題を平和的に解決する現実的かつ有効な道であるとともに、北東アジアの新秩序の構築について各国が意思疎通と協議を進める重要な場でもある。中国は日韓両国と共に、関係各方面の取り組みをしっかりと行い、協議の進展と、朝鮮半島非核化の早期実現を図っていきたい」と強調した。
3カ国首脳は、今後の3国間協力の方向性が今回の会談でさらに定まったとの認識で一致。「中日韓3国間協力の促進に関する共同宣言」「第7回中日韓首脳会談共同プレス声明」の精神と原則に基づき、政治上の相互信頼を深め、互恵協力を強化し、地域問題における意思疎通と調整を強化し、アジアの恒久的な平和と発展に共同で尽力する意向を表明した。
「人民網日本語版」2007年1月15日