温家宝総理はフィリピン・セブで14日午後、第10回東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(中日韓)首脳会議に出席し、「平和で繁栄した、調和ある東アジアを共に建設する」と題した演説を行い、ASEANプラス3協力をさらなるレベルへ引き上げるための5項目の提案を示した。
(1)戦略的計画の強化
(2)経済貿易・財政金融協力の深化
ASEAN・中日韓の自由貿易区の構築プロセスを加速すべきだ。ASEANプラス3の金融協力はすでに良いスタートを切っており、本地域の金融市場の発展を促進するため、債券市場の構築に関する各国のノウハウの交流を強化している。中国は今年、ASEANプラス3の企業債券市場発展シンポジウムを開催する。
(3)安全保障協力の推進
中国は既存の枠組を十分に活用して、安全保障上の地域の重大問題における各国間の対話と協力を強化することを提案する。災害対策・救難活動における軍の交流を促進するため、中国は今年、ASEANプラス3の武装部隊国際救難研究セミナーを開きたい。
(4)社会・文化協力の拡大
貧困支援と女性問題はASEANプラス3協力の新たな分野だ。中国は今年、ASEANプラス3の国家貧困支援公務員養成セミナー・女性問題養成セミナーを開催する。ASEANプラス3協力の発展には、各国メディアの交流と協力の強化を通じて、東アジアの影響力を拡大することが必要だ。このため中国は今年、ASEANプラス3初のメディア協力シンポジウムを開催する。第1期ASEANプラス3文化人材開発協力養成セミナーは前向きな成果を上げた。第2期養成セミナーを年内に開催したい。
(5)公衆衛生協力の強化
鳥インフルエンザや新感染症への対策における協力をさらに強化するため、地域の疾病監視ネットワークを構築し、域内各国の感染症対策と、公衆衛生上の突発事態への対応能力を強化したい。
温総理は最後に、「中国は東アジアの一員だ。東アジアの安定と繁栄は中国の発展における重要な保障であり、中国の発展もまた、東アジア諸国にチャンスをもたらしている。中国は引き続き、確固不動として平和発展路線を歩み、東アジア各国と友好的につきあっていく。中国は引き続き、確固不動として利益共有型の開放戦略を遂行し、対外的な経済・技術協力を一層拡大し、東アジア各国と共に発展していく。中国は引き続き、確固不動として東アジア協力を支持し、参与し、東アジアの平和という崇高な事業と各国と共に推進し、平和で繁栄する、調和ある東アジアを共に建設していく」と強調した。
「人民網日本語版」2007年1月15日