イギリスを訪問中の中国国務院新聞弁公室の蔡武主任はロンドンで開催された中国・イギリスのメディアフォーラムで講演した。その主な内容は次のとおり。
平和は発展の前提であり、発展はすべての問題を解決するカギである。平和と発展は現代化を目指す中国にとって必然の選択である。1997年に、中国とイギリスは平和的な話し合いで香港問題の解決に成功した。これは、世界で重要な地位を持つ中国とイギリスの両国関係の更なる健全な発展のために確固たる基礎を打ち固めた。
中国政府は2020年まで全般的に「ややゆとりのある社会(小康社会)を構築する」という奮闘目標を打ち出した。つまり、2020年のGDPは2000年のそれの四倍(40000億ドル)となり、一人当たりのGDPは3000ドルに達することである。経済の発展、民主の充実化、科学・教育の進歩、文化の繁栄、社会の調和、人々の生活レベルをさらに引き上げることでもある。
中国政府と中国の人々は発展の経験を絶えず総括し、世界各国の経験と教訓を汲み取り、「科学的発展観」を社会発展の全局を導くものとして、平和・発展の道を歩むことを堅持し、国内では「調和の取れた社会」を構築し、世界では「持続的な平和、ともに繁栄する調和の取れた世界」を構築するために力を入れるという重要な戦略的思想を打ち出した。
「調和の取れた社会」という目標は具体的には、「民主・法制、公平・正義、誠実・友愛、活発化、安定で秩序のある、自然にやさしい調和の取れた社会」を構築することであり、中国の人々にとってはなが年いらいの念願でもある。中国が打ち出した「調和の取れた世界を構築する」という提言とその思想は、「世界各国が互いに尊重しあい、お互いに共通点の部分を強調し、相違点は認め、寛容、相互信頼、、平和、発展、協力、互いにメリットを手にするという世界の秩序の下でバランスのとれた発展を実現し、ともにメリットを手にし、ともに繁栄することを目指している。中国は実際の行動で、世界各国の人々と調和の取れた形で付き合い、世界経済の調和の取れた発展、さまざまな文明と文化の間の調和の取れた進歩をも目指している。そのため、「調和の取れた世界を構築する」主張は、世界各国の人々の共同の利益に合致するものであり、人類社会が求める共同の目標をも示している。
中国経済の高度成長は、1978年に鄧小平氏が「改革・開放」の政策を打ち出してから始まったものである。この政策が実施されて29年らい、中国の人々は自国の国情に適した発展の道を見つけ、経済建設を中心とする原則を堅持しつづけ、市場をめぐる改革を引き続き深化し、全方位の対外開放を積極的に実施する中で、中国の社会的生産力が著しく増強され、総合国力が大いに強まり、人々の生活レベルが向上しつつある。1978-2006年の中国のGDPは1473億ドルから26000億ドルに増え、世界で四位となり、年間成長率は9.7%となった。輸出入総額は206億ドルから17600億ドルに増え、世界三位となり、年間成長率は17%を上回った。これらの成績は誇るべきものであろう。
しかし、中国は依然として発展途上国である。13億人の人口を抱えている中国は、一人当たりのGDPは世界で100位にランクされており、発展の過程には数多くの新たな問題と新しい矛盾を解決しなければならない。特に中国の発展はアンバランスである。とにかく、中国は中程度の先進国になるまでに、長期的な努力を払わなければならない。
中国とイギリスは悠久の歴史、さんぜんと輝く文化を持つ大国であり、人類の文明と進歩のために大いに寄与してきた。両国の間にはながい交流の歴史があり、忘れがたい、友情が溢れる時期もあったし、困難と曲折を経験したこともある。57年前、イギリスは欧米大国の中で先頭を切って中華人民共和国の合法的地位を承認し、中国と国交を樹立した。両国がともに努力するなかで、両国関係は良好な発展の勢いを保ち続けている。
北京は2008年夏季オリンピック大会を主催し、ロンドンは2012年のオリンピック大会を主催することになっている。オリンピック精神を発揚し、世界の平和を維持し、守り、人類社会の共同発展を促すことは、両国の人々がともに願い、求めていることである。オリンピック大会は世界最大のスポーツ界の盛会であり、両国を結びつけるユニークな絆と見られており、両国により多く、より大きな協力のチャンスをもたらすことになろう。
「チャイナネット」 2007年4月18日