夏季ダボス会議参加者たちの質問に答える温家宝総理
第1回夏季ダボス会議が6日、遼寧省大連市で開幕した。国務院の温家宝総理は午後の開幕式であいさつした後、質疑応答を行った。
問:中国では、さまざまな改革が進められているが、現段階のこれらの改革の特徴はどういうものか?
答:中国の改革は経済・社会の大変革であり、中国の現段階の改革の主な特徴というのは、経済体制の面で、在来の計画経済から社会主義市場経済、閉鎖・半閉鎖的な経済から開放的な経済への転換を図り、生産力を解放・発展させ、人々の物質面・文化面の生活水準を高めること。政治体制の面で、民主を拡大し、法制度を健全化させ、社会の公平を実現し、社会の調和を促すこと。この2つの面の改革は密接なかかわりかのあるもので、切り離すことのできないものである。
今後、歴史学者たちがこの時期の歴史を振り返る際、彼らは、現段階の改革は中国という古くて新しい国が改革の道の中で踏み出した重要な一歩であるというであろう。改革は、社会主義現代化建設の全プロセスに伴うものである。改革は中国の前途と運命を決めるものでもある。
問:中国経済はこれまでに、主に国有企業に依存していた。現在、中国の国有企業は改革に取り組んでおり、これは中国経済に深遠な影響を与えているが、企業家の中国経済・社会の発展への貢献について、どう見ているのか?
答:中国の国有企業は、改革や調整を通じてその活力や競争力が絶えず向上しており、同時に情報通信、バイオテクノロジー、宇宙航空、省エネ・環境保護などのハイテク産業分野において、急速に発展を遂げる新興企業も数多く現われている。企業家の将来の中国の経済・社会の発展への貢献の根本は技術と体制面の革新である。絶えざる革新があるからこそ、市場競争の中で勝つことができ、新興分野で一定の地位を占めるようになれるのである。中国の繁栄と発展には、多くの成功企業家を必要としている。中国の企業家は国と人々への強い責任感をもって、中国の企業が世界の前列を行くようにし、経済・社会の調和の取れた持続可能な発展に貢献すべきである。
問:世界経済フォーラムの進展から見ると、最も成功したリーダーは、企業から来たものでろうと、政府から来たものであろうと、グローバルな視野を持つと同時に地球公民となることが求められている。世界的なリーダーは、どのような資質を備えるべきか?
答:1、大所高所から見る目があること。
リーダーは、世界の経済・科学技術発展の現状と将来についての見通しを把握し、正確な対策を持ち、独自の考えに基づいて適切な判断を下すべきである。
2、チャンスを敏感にとらえられること。
身近の瞬間的に発生した自分にとってプラスとなることについて、チャンスを逃さず、適時にそれをつかみとるべきである。
3、改革精神があること。
何にも恐れず、既存の物事に束縛されず、果敢に革新を行うリーダーになるべきである。
4、責任感があること。
困難や曲折を恐れず、忍耐強くこれを克服し、自らの責任を果たすべきである。
問:現在、中国で行われているさまざまな改革の中で、新興グローバル企業の中国業務への影響が最も大きいものは?
答:1、中国の不退転の対外開放政策である。
法律・法規を制定・健全化させ、企業の合法的権益・知的財産権を保護し、これらの企業に公平な競争の環境を作り出す。
2、中国の内需拡大の方針である。
中国は巨大な国内市場を有しており、これは新興グローバル企業の発展にプラスとなるばかりか、中国ひいては世界経済の発展にもプラスとなるものである。
3、中国の積極的な就業政策である。
中国には豊富で、資質の高い労働力資源がある。新興グローバル企業の中国での発展にとって望ましい人的条件が整っている。
4、中国の地域別発展戦略である。
西部大開発や東北旧工業基地振興は新興グローバル企業の中国での発展にとって得がたいチャンスとなっている。
「チャイナネット」2007年9月7日