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遣隋使の足跡をたどる旅 参加者には大使2人も

 客船「新鑑真号」が4月24日昼、長い汽笛と共に、神戸港を出港した。船上には、普通とは違う旅行団の姿が見られた。遣隋使派遣1400周年と日中国交正常化35周年を記念して中国へ渡る旅行団だ。

団長を務める阿南ヴァージニア史代さん(62)は米国系日本人で東アジア史の研究者。今年初めに、遣隋使と遣唐使の足跡をたどる体験旅行の計画を立て始めた。607年から838年の200年余りの間に、日本は遣隋使と遣唐使を計18回派遣した。聖徳太子が遣隋使として派遣した小野妹子がその始まりだ。当時日本が派遣した多くの使者のうち、最後の遣唐使船で渡唐した円仁だけが詳細な文字記録を残した。すなわち「入唐求法巡礼行記」である。米国出身の史代さんは米国の大学でエドウィン・ライシャワー氏の円仁の研究書を読んだ。夫の惟茂氏は日本の前駐中国大使。史代さんは1980年代から前後10数年間にわたり、円仁の旅路をたどった。今回の体験旅行は時間上は遣隋使の小野妹子に、行程上は遣唐使の円仁に従っている。春と秋の2回に分けて実施し、春の旅は4月24日に出発。新鑑真号で上海に渡った後、鑑真の郷里である江蘇省揚州市や、円仁が帰国前に逗留した山東省などを訪問する。訪問先では植樹活動も行う。

参加者の出身地はさまざまだ。史代さんの計画に最初に呼応したのは夫の惟茂氏。カナダの元駐中国大使で、現駐日大使のジョセフ・カロン氏も上海で合流する。最年長は77歳の山崎氏で、NHKテレビのディレクター。栃木県から参加した渡辺光喜氏は、円仁の生誕地、壬生寺の住職。埼玉県の北川幸彦・日本中国将棋協会副理事長は、今月末に行われる全日本中国将棋大会を棄権してまで参加した。兵庫県から参加した今田氏は医療関連会社の社長だ。小野妹子の郷里である滋賀県の女性2人や、日本留学中の米国人学生2人も参加。全員、情報を聞いて自ら参加を決めた。神戸から出発するのは12人で、江蘇省揚州市での合流後は計27人になる。参加者は中国、日本、カナダ、米国の4カ国から集まった。

旅行団を見送り、花を贈った神戸市港湾総局の花木氏は「神戸は開港140周年を迎える。遣隋使の1400周年とは比べものにならないが、神戸港は中国との交流が最も長いことを、神戸市は天津市との友好都市提携が最も早いことを、誇りにしている」と述べた。

「人民網日本語版」2007年4月25日

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