中日両国の防衛部門は8月30日、東京で共同コミュニケを発表した。詳細は次の通り。

一、 日本防衛相の招きで、中華人民共和国中央軍事委員会副主席、国務委員、国防部長の曹剛川上将は2007年8月29日から9月2日まで、日本を公式訪問することになっている。8月30日、曹剛川副主席は高村正彦防衛相と会談を行い、安倍晋三総理大臣と会見し、さらに町村信孝外務大臣と会見し、中国の国防政策及び中日間の防衛交流について講演を行った。

二、 会談の中で、双方は国際及び地域の安全情勢、両国間関係などともに関心を寄せている問題について意見を幅広く交換した。双方は、「中日共同声明」、「中日平和友好条約」と「中日共同宣言」の各原則に則り、2007年4月に温家宝総理が訪日した際に双方が発表した「中日共同コミュニケ」の主旨に基づいて、両国の防衛部門の関係をさらに発展させ、安全分野における双方の相互信頼を深め、相互理解を促進し、中日間の防衛面の交流を多くのレベル、多く分野へ向けて発展させ、中日友好の促進に力をいれ、共同の戦略利益に基づく互恵関係（戦略的な互恵関係）の構築に力をいれ、アジア及び世界の平和、安定と発展を擁護するために建設的な役割を果たすことで合意した。双方は次の共通認識を達成した。

（1） ハイレベルの交流を引き続き展開する。曹剛川副主席は高村正彦防衛大臣が2008年に双方の都合のよい時期に中国を訪問することを招請した。双方は、日本自衛隊統合幕僚長と中国人民解放軍総参謀長の相互訪問を一日も早く実現させることで合意した。

（2） 中日国交正常化35周年を記念するため、日本側は中国海軍艦艇編隊が2007年に日本を訪問することを招請した。中国側は、11月あるいは12月に訪日すると表明し、日本の艦艇がその後の都合のよい時期に中国を訪問することを招請した。

（3） 両国の防衛部門の間の防衛安全に関する話し合いを引き続き展開する。双方はできるだけ早いうちに北京で次のラウンドの話し合いを行うことで合意した。

（4） 中日防衛部門海上通報メカニズムを構築し、海上における不測事態の発生を防止し、東中国海の平和を維持するため、双方はできるだけ早いうちに専門家による話し合いを行うことで合意した。

（5） 双方の防衛部門が兵種、軍事医学、軍事科学、文化・スポーツなどの分野における交流を展開する。

（6） 人員の育成面における協力を強化し、青年士官を含む人的交流を拡大する。

（7） 中国側は、日本側が2007年9月に人員を派遣して中国の「勇士―2007」歩兵師団の進攻戦闘実兵実弾演習を見学するよう招請した。

（8） 自然災害対策など従来の安全分野に属さない交流についても検討する。

三、中国側は日本側が曹剛川副主席の日本訪問の期間に行った親しく友好的なおもてなしに感謝の意を表す。

「チャイナネット」2007年8月31日