近くロシアを公式訪問する温家宝国務院総理はロシアのタス通信などのメディアの取材に応じ、中ロ関係及び各分野で両国間の交流と協力を拡大すること、上海協力機構の役割を強化することなどについて、包括的に語った。

中ロ関係

二つの句で中ロ関係を要約してもよい。一、最も望ましい歴史的段階にある。二、最も重要な歴史的段階にある。前の句は現在のこと、後ろの句は将来を描いたもの。

中ロ間の戦略的なパートナーシップはすでに10年間を経過した。この10年間、両国関係には大きな変化が起こり、この変化は質的な変化である。最も重要な変化は政治的相互信頼が強まっていることである。中ロ間の協力メカニズムはハイレベルで、様々な分野をカバーするものである。経済分野で、中ロ間の貿易関係は大きな進展をとげ、貿易のメカニズムが充実し、相互間の投資は増えている。2007年の両国間貿易総額は400億ドルを突破すると見られ、われわれの計画によれば、2010年においてそれは800億ドルの目標の実現が有望視されている。人文の分野で、2006年から2007年にかけて、両国は500回以上の「国の年」のイベントを催し、人々の心に深い印象を残し、非常に強い反響を引き起こし、両国間の戦略的なパートナーシップの内容を豊かにした。

次の段階の中ロ協力の重点

トップ層の交流およびさまざまなレベルと分野での協力を通じて、両国は政治的な相互信頼を強化し、互いに関心のある重要な、コアとなる利益でサポートを与えあうことになっている。なが年らい、台湾やチベットの問題でロシアからの重要な支持を高く評価している。また、国の主権と領土の保全、自国の国情にふさわしい発展の道を歩み、外部からの干渉に反対するロシアの立場を支持し続けていることである。

中国はロシアへの投資を拡大するかどうか

相互間の投資は両国間の貿易関係を強化する重要な側面である。われわれは、「2020年に中国の対ロ投資が累計120億ドルに達する」という目標を打ち出し、中国企業のロシア市場進出を促すために力を入れている。中国企業のロシアへの投資は広い分野に及ぶものであり、鉱産、エネルギーのみか、電力、加工・製造業、インフラ整備、農業、漁業、林業をカバーする。中国企業の対ロシア投資は自らの発展を促し、両国間の経済・貿易協力をも促すことになっている。中国企業のロシアへの投資は、「ウィン・ウィン」の原則に則り、ロシアの法律を遵守し、投資の質、安全、効果と利益によって信頼を勝ち取った。ロシア側は調印された投資保護取り決めの内容にしたがって中国企業の合法的な権益を保護し、中国企業の投資に便宜を与えるものであるとわれわれは信じている。ロシア企業の中国投資を歓迎することをここで再び言明する。

エネルギー分野の協力

エネルギー分野での協力は中ロ両国の重要な共通認識である。近年、その発展のテンポは良好である。両国の政府は効果のある協調と交流を行い、両国のエネルギー企業は石油、天然ガス、電力、エネルギー関連設備製造などの分野で、数件の重要な協力プロジェクトについて検討しあい、実施している。エネルギー協力の分野はさらに拡大し、パターンも多様化している。ロシアから中国までの原油、天然ガスのパイプラインは共にメリットを上げる共同の選択であり、両国の企業は一刻も早くそれを着実なのにすることを願っている。

上海協力機構の役割

安全、経済、人文は上海協力機構の三つの重要な協力分野である。中国側はこの三分野の協力がバランスが取れた形で発展するよう願っている。地域的な経済協力を発展させ、合同で強きをはかり、国力を引き上げることは、各国の発展問題を解決し、「テロリズム、分裂主義、過激主義」を取り締まり、各国の人々が平和と安定を楽しむことを確保する唯一の道である。中国はロシア及び上海協力機構のメンバーとともに、地域的協力を引き続き促し、各国の発展を促進するために努めている。

「チャイナネット」　2007年11月2日