農業部国際協力司の李正東司長は、食糧安保をめぐる状況について、次のように説明した。
原油価格の高騰による生活コストの上昇、バイオマスエネルギーの急成長、穀物需要の増大、自然災害による一部地域の減産、投機資本の投機取引などの影響で、世界の穀物価格は急騰し、世界の食糧安保は深刻な試練に直面している。特に発展途上国への影響は甚大だ。穀物価格の暴騰はすでに多くの地域で社会を動揺させ、非常事態に陥った国々もある。全世界で1億人以上が生活苦に陥り、過去5~10年間の国際社会の貧困撲滅と発展の成果が一朝にして失われる恐れがある。中国政府は一貫して、食糧安保は人類の生存と発展にとって常に最重要問題であると考えている。世界の食糧安保が直面する非従来型の試練はますます増加し、情勢は日増しに複雑化し、その最も弱い部分は発展途上国にある。穀物などを利用したバイオ燃料の生産が食糧安保にもたらす影響は軽視を許さず、気候変動は食糧安全にも長期的な試練をもたらしている。中国政府は常に国内生産による穀物の確保に立脚し、穀物の総合的な生産力を不断に高めると同時に、世界の食糧安保における国際的な義務を真摯に履行し、世界の穀物と農業の発展に貢献できるよう努力している。できる限りの範囲で、国連食糧農業機関や緊急事態に陥った国々に寄贈や食糧支援を行っている。農業技術の高さを積極的に活用し、発展途上国の農業と穀物生産水準の向上を援助している。このほか、中国産穀物など農産物の貿易も正常な発展を続け、穀物は純輸出となっている。
中国政府はかねてより食糧安保を高度に重視し、常に穀物の基本的な自給の確保に立脚してきた。わが国の穀物は2004年を除き、過去10年近く純輸出を続けており、自給率は95%以上を保っている。中国人民は自らの力で人口13億の食を解決している。これは世界の食糧安保に対する最大の貢献だ。私たちは引き続き穀物と農業生産を高度に重視し、穀物の総合生産力の向上に力を入れ、穀物の基本的な自給を確保していく。
「人民網日本語版」2008年7月4日 |