中国に生まれる

李香蘭こと山口淑子は1920年2月12日、中国遼寧省奉天の近くで生まれ、間もなくして一家で撫順に移った。淑子の家は日本人の漢学者の家系で、彼女の父親は佐賀県の漢学者であった祖父の影響を受け、若くして中国に学び、後には｢満鉄｣に勤務した。その父親が平頂山事件で内通者として逮捕されたことから、事件後に一家は瀋陽に移り住んだ。13歳の時、淑子は父親の学友であり、当時の親日派の瀋陽銀行総裁であった李際春と義理の親娘の縁を結んだことから、彼女はもう1つの美しい名前を持つようになった。「李香蘭」である。