複雑な気象状況下、中露合同軍事演習「海上連合2015(Ⅱ)」が23日夜、実戦演習の段階に入った。中露の艦隊は1週間前に対馬海峡と宗谷海峡を通過した際に、某国の海軍からその全過程を撮影されるという、特別な関心を寄せられた。中露の20数隻の艦艇は、演習エリアの日本海に終結した。某国の艦艇と軍機は、また忙殺されることだろう。
中露の同演習は、両国の軍事協力の定例化・常態化されたプロジェクトであり、世界はこれに対して十分に心の備えができたはずだ。兵力の規模、協調の程度のいずれを見ても、今回の演習が地域最大クラスとは言いがたいのだから尚更だ。しかし一部の国や勢力はこれにいちゃもんを付け、横槍を入れようとしている。これは他に後ろめたい狙いがあるからだろう。
例えば、中露の海上合同演習は「軍事同盟」のシグナルである、さらには中露が「反米・反西側の新勢力」を形成しようとしているという論調がある。実際には、中露関係に「同盟」のレッテルを貼ることは、完全に現実を無視していると言える。中国とロシアは現在、「全面的・戦略的パートナーシップ」という極めて現実的かつ適度な関係の調整を検討していない。具体的に軍事・安全面の協力を見ると、両国は「同盟を組まず、対抗せず、第三国を対象としない」という基本原則を守っている。中露の各分野の協力は近年具体化・強化されており、世界の世論の場では複雑な反応と解釈が見られる。一部の勢力は中露の「同盟」を誇張しており、いわゆる懸念の他に「敵国」を作り上げることで、冷戦時代の軍事同盟体制を拡張するか、戦後の平和体制を打破する堂々たる口実を手にしようとしている。
さらには、中露の軍事演習は「高圧的」な「武力誇示」であり、米国のアジア太平洋における軍事計画を「著しく妨害」し、さらには「日本を攻撃する」意味合いがあるという説もある。当然ながら、ターゲットは自分と思い込むことを誰も妨げられないが、少なくとも次の3つの基本的な事実を理解しなければならない。(1)中露海軍の「最大規模」と呼ばれるこの軍事演習の参加者は、実際には多くはない。米国がアジア太平洋で主催している、1万人以上の規模に達する一連の軍事演習の比ではない。(2)同演習は2つの段階に分かれ、確かに「頻繁」に実施されているが、1年に2回に過ぎない。ラブロフ外相は、「米国が日本、韓国、その他の地区の国と実施する合同演習の数を大幅に下回る」と指摘した。(3)今回の演習では「合同上陸訓練」が初めて実施されるが、この訓練科目は中露が発明したものではなく、大げさに驚く必要はまったくない。