これらの事実を理解しながら、中露が「武力を誇示している」とあくまでも批判するならば、自分の後ろ暗い考えを相手にも当てはめていることになる。
インドのThe Hindu紙は、同演習はオバマ政権のアジア太平洋リバランスの影響を受け、同地域の軍事化が進む時期に実施されたと伝えた。これはアジア太平洋の軍事外交が活発化している、重要な背景を指摘している。米国の外交政策決定者は均衡理論の信奉者なのか、アジア太平洋で「リバランス」に取り組もうとしている。しかし米国が同盟国を従え軍事演習を頻繁に実施し、自国の60%の艦艇を徐々に太平洋に移すことで、かえってアジア太平洋のバランスが乱されている。
アジア太平洋の安全は、共通の、総合的かつ協力的な、持続可能な安全であるべきで、一国の安全のため他国の安全を損なうことはできない。この角度から論じると、中露軍事演習はアジア太平洋のパワーバランスを維持し、地域全体の安全を維持するための努力と言える。多くの人は中露が歩み寄るのは国益のためであり、かつ拡大を続ける外部の圧力がもたらした結果だとしている。このような観点も、一理ある。ゆえに中露の軍事協力に横槍を入れるよりは、自分を顧みるべきだ。王毅外相が、「他人を論じる前に、まずは自分の言行をよく検討するべきだ」と指摘した通りだ。