知恵編:計画と連動
第1回中国国際輸入博覧会の開幕式で基調演説を行った10日後の11月15日、習主席はアジア太平洋歴訪を開始した。
パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議の会期中、習主席は歴史の掲示を深く総括し、経済グローバル化の大きな流れを正確に把握し、開放と協力を堅持し共に課題に対応することを強調した。また各国が2019年に第2回一帯一路国際協力サミットフォーラム、第2回中国国際輸入博覧会に参加することを歓迎した。
開放拡大は、2018年の中国の外交が貫いた旋律だ。ボアオ・アジアフォーラム、上海協力機構首脳会議、BRICS首脳会議、中国国際輸入博覧会、APEC首脳会議、G20サミットなどのホスト国外交及び国際会議において、「中国の開放の扉が閉ざされることはなく、ますます大きく開かれるばかりだ」という声が全世界で反響した。タイのポーンペット立法議会議長は「これは正確な大方向であり、世界自由貿易の秩序を守るものでもある」と述べた。
日本の産経新聞は中国の外交を、「着実に計画し展開中」と形容した。国内外の2つの大局の統一的な計画、ホスト国外交と外遊活動の連動は、2018年の中国の外交の鮮明な特徴になった。
上海協力機構のメンバー拡大後で初のサミットが6月、青島で開かれた。習主席は重要談話を発表し、高い見地から新たな発展・安全・協力・文明・グローバルガバナンスの観点を示し、「上海精神」に新たな時代の意義を注ぎ込んだ。
ロシアのプーチン大統領が6月に訪中し、上海協力機構青島サミットに出席した。習主席はプーチン氏に初の「友好勲章」を授与した。両国首脳が共に高速鉄道に乗り、天津市の中露少年アイスホッケー友好試合を観戦し、共に天津小吃を作り味わう友好シーンは人々を喜ばせた。習主席は3カ月後、ロシアで第4回東方経済フォーラムに出席した。両国首脳が共に全ロシア児童センター「オケアン」を訪問した心温まる様子は、世界に深い印象を残した。
習主席は7月に中東・アフリカ歴訪を開始した。初の目的地はアラブ首長国連邦。その約1週間前、中国・アラブ諸国協力フォーラム第8回閣僚級会議が北京で閉幕した。双方は包括的な協力、共同発展、未来志向の中国・アラブ諸国戦略的パートナーシップを構築すると宣言した。
中国・アフリカ協力フォーラム北京サミットが9月、盛大に開催された。習主席は1カ月以上前に、国家主席に就任してから4回目のアフリカ歴訪を行っていた。ロイター通信はセネガルのマッキー・サル大統領の発言を引用し、中国は「現代の最も偉大な経済国の一つ」であり、アフリカの平和と安定のため多大な貢献を成し遂げたと伝えた。
訪問するほど、友好がより堅固になる。南アフリカのラマポーザ大統領は7−9月にかけて、習主席と何度も会談した。この南アフリカの首脳は、「中国の印象的な成長モデルが生んだ貴重な経験は、アフリカ人に発展の触媒として用いられている」という発言で、中国・アフリカ協力に関する雑音を打ち消した。
2018年は一帯一路イニシアチブ提唱5周年だった。一帯一路は5年間に渡り影響力の拡大を続け、国際社会から広く認められた。カザフスタンは「シルクロード経済ベルト」の誕生地として、一帯一路イニシアチブ提唱5周年中国・カザフスタンビジネスフォーラムの開催を自ら提案した。同フォーラムは2018年9月に開催され、習主席とナザルバエフ大統領から祝賀メッセージの動画が寄せられた。
習主席は11月中旬、4年ぶりに太平洋の島国を再訪した。パプアニューギニアの首都ポートモレスビーで、習主席は国交を結んでいる太平洋の島国8カ国の友人と会談した。「アウェイ」は「ホーム」でもあり、各種活動は中国と島国の関係を戦略的パートナーシップから包括的・戦略的パートナーシップに飛躍させた。
習主席は11月末から12月上旬にかけてラテンアメリカを歴訪したが、一帯一路の共同建設がその基調になった。2018年1月の中国・ ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)フォーラム第2回閣僚級会議では、「一帯一路特別声明」が発表された。双方の関係と全体的な協力の相互促進は、一帯一路のラテンアメリカにおける発展の勢いを全面的に強めた。
ドイチェ・ヴェレ(電子版)は「今や中国がなければ世界の政治は成り立たない」と題した記事で、シュタインマイアー大統領の12月の訪中を伝えた。上半期には仏大統領、英首相、豪首相が相次いで訪中し、下半期は習主席が欧州を歴訪した。中国と欧州は保護主義に反対し自由貿易を維持する共通の声を上げた。
大国・周辺・発展途上国・多国間外交を全体的に計画し、中国のグローバルパートナーシップネットワークを絶えず拡大する。これは大国の外交の知恵と成熟であり、大国のリーダーの視野と責任感でもある。