中国は北京時間24日未明、文昌航天発射場で「長征5号遥5」ロケットを用い、月探査機「嫦娥5号」を地球・月遷移軌道に送り込んだ。打ち上げが無事成功した。
これは中国の月探査事業「周回・着陸・帰還」という3ステップの締めくくりとなる戦いであると同時に、中国で現在技術の難易度が最も高く、システム統合が最も複雑な宇宙任務の一つでもある。今回の任務により、中国は初めて地球外天体のサンプル採取・帰還を実現する。
月の土壌を約2000グラム採取
中国航天科技集団が開発した嫦娥5号は、中国が現在まで開発したうち最も複雑な宇宙船システムの一つだ。軌道モジュール、帰還モジュール、着陸モジュール、上昇モジュールの4つのモジュールがあり、15のサブシステムが含まれる。
嫦娥5号は今回の任務で軌道上を20日余り飛行し、約2000グラムの月の土壌を採取し地球に帰還する。打ち上げによる軌道投入、地球から月への遷移、月接近、月周回、着陸・下降、月面作業、月面上昇、ランデブー・ドッキングとサンプル移動、月周回待機、月から地球への遷移、再突入・回収という11段階を踏まえる。
中国国家航天局によると、嫦娥5号任務計画は▽短期間内のマルチ軌道打ち上げ、月面自動サンプル採取・密封、月面離陸、月周回軌道でのランデブー・ドッキング、月サンプル保存などの重要技術の突破により、中国の宇宙技術水準を高める▽中国初の地球外天体自動サンプル採取・帰還を実現し、中国の科学技術の重大な進歩を促す▽月探査事業の体系を改善し、中国の今後の有人月上陸及び深宇宙探査に向け重要な人材・技術・物的基礎を蓄積する――という3大目標の達成を計画している。