2001年11月10日にカタールのドーハで行われたWTO第4回閣僚会議で、中国のWTO加盟に関する加盟議定書・付属書案が採択された。これにより、中国はWTOの新しいメンバーになった(新華社)
WTO加盟で世界経済に貢献
2001年11月10日、世界貿易機関(WTO)第4回閣僚会議で中国のWTO加盟が承認された。1986年に中国が関税および貿易に関する一般協定(GATT)締結国としての地位の回復を申請してから、15年が過ぎていた。
当時の中国代表団の石広生団長は、同会議で次のように発言した。「中国はGATT締結国としての地位の回復とWTO加盟のために、長年たゆまぬ努力をしてきた。これは、中国が改革を深化させ開放を拡大する決意と確信を十分に示している。WTO加盟は中国にとってプラスになるだけでなく、全ての加盟国・地域にとってプラスになり、多国間貿易体制の発展にも役立つ。これはきっと新世紀の中国経済と世界経済に広く深い影響を与えるだろう」
その後、中国が出した素晴らしい「成績表」は石氏の言葉を裏付けた。WTO加盟後、中国は多くの「ピーク」を乗り越え、世界第2位の経済国、第1位の貿易国、第1位の投資先国、第2位の対外投資国までに急成長した。中国の経済は世界の経済に深く溶け込んでいる。
中国の発展は開放によるもので、それと同時に開放をもって世界の発展に貢献している。現在、中国の関税率は7・5%にまで低下し、WTO加盟時に約束した10%をはるかに下回っている。貨物輸入額の年平均伸び率は2桁以上で、中国で設立された外資系企業は100万社を超えた。多くの国が中国の経済成長による利益をシェアしている。
08年、米国のサブプライムローン問題を発端とする金融危機は世界を席巻した。危機に直面して、党中央は時勢を判断し、4兆元の景気刺激策で中国経済の2桁成長を維持した。この力強い措置は金融危機に苦しめられていた世界各国を奮い立たせた。シンガポール紙『聨合早報』は、「中国が金融危機にうまく対応したことは、世界経済の発展の『安定装置』としての役割を果たし、世界経済の回復を後押しけん引する役割を果たした。中国を救うことは世界を救うことであり、中国が良くなれば、世界は望みが持てる」と報じた。
各国と調和的に共存する中国は、世界経済の発展のために多くの原動力を提供し、世界各国と多くのチャンスを共有している。
人民本位を貫く
新世紀に入ってから、中国は経済成長を図るとともに、人々の暮らしの改善に重点を置く社会建設の歩みを加速させ、全ての国民が改革と発展の成果を共有できるように保障してきた。
02年の第16回党大会では、小康社会の全面的建設という目標が掲げられ、党と国が人々の暮らしを改善するための方向性を決定付けた。同目標の下、一連の重要な政策が次々と決定され、実施されるようになった。例えば、2600年以上続いた農業税を廃止し、農民の負担を大いに減らし、再び農村の生産力を解放した。都市部と農村部の義務教育段階の学費・雑費を免除し、子どもに公平な教育機会を享受させた。定年退職者の基本養老金(年金)を引き上げ、高齢者が晩年を安らかに過ごすよう取り組んだ。十数億人に恩恵をもたらすこのような民生政策は、より多くの人に満足感と幸福感を与えた。
07年の第17回党大会では、民生改善が新たな高みに引き上げられた。大会の報告では、経済成長を図る指標が初めてGDPから1人当たりのGDPに変更された。また、次のことが強調された。経済発展の重点的な取り組みは、国が強くなることを目指すだけでなく、人々の暮らしが豊かになることも目指す。発展の成果が人々に恩恵をもたらさなければならず、発展の核心が人民本位にある。
人民本位は災難に直面した時にも体現される。08年5月12日、四川省の汶川県でマグニチュード8・0の巨大地震が発生した。震災直後、党中央は全党・全軍・全国民の総動員を速やかに展開し、中国の歴史上救援スピードが最も速く、動員の範囲が最も広く、投入する人員や物資などが最も多い救援活動を行った。中国の特色ある「国を挙げて取り組む体制」は世界の称賛を受けた。ロシア・ノーボスチ通信社の論説記事には、「総理が2時間以内に飛行機で被災地に向かう国、10万人の救援者を動員した国、各界からの寄付金が数十億元に達する国、先を争って献血するために交通渋滞まで引き起こした国は、決して負けることはない」と書かれた。
震災から14日目、党中央は「ペアリング支援(7)体制を確立し、国を挙げて復興を加速する」という政策決定を行った。10年9月末までに、3年を予定していた復興任務は2年以内にほぼ完了し、被災地のインフラと生産・生活は震災前の水準を大いに上回り、復興の奇跡をつくり出した。