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japanese.china.org.cn |22. 02. 2022

国務院が「第14次五カ年計画」高齢者事業発展計画を発表 注目すべきポイントは?

タグ: 高齢者事業発展計画
「人民網日本語版」  |  2022-02-22

国務院による「第14次五カ年国家高齢者事業発展・養老サービスシステム計画」の全文が21日、中国政府網に掲載された。ここでは、同計画の注目すべきポイントを以下のようにまとめた。中国新聞網が伝えた。

(1)第14次五カ年計画(2021-2025年)期間中に、高齢化に積極的に対処する国家戦略の制度的枠組みを基本的に確立し、社会全体が高齢化に積極的に対処する構造をひとまず作り上げ、高齢者の獲得感、幸福感、安全感を大幅に向上させる。

(2)企業従業員の基本養老保険(年金制度)の全国的一本化を早期に実現する。法定退職年齢を段階的に引き延ばす。年金の合理的な調整メカニズムを実行し、都市部・農村部住民の基礎年金基準を適時・適度に調整する。

(3)高齢者向け慢性疾患用医薬品の公費負担範囲を拡大し、さらに多くの慢性疾患用医薬品を集中調達の対象とし、高齢者の医薬品負担を軽減する。

(4)政府によるサービス調達などによって、高齢者の能力の総合的評価を統一的に実施し、評価結果の全国規模の相互認証を推進して、各当局の必要に応じて、養老サービス受け入れの根拠とする。

(5)各地は一人当たり最低0.1平方メートルという基準に厳格に従い、区・級を分けて高齢者サービス施設地域を設置する。高齢化の進んでいる地区においては、実情と照らし合わせて基準を適度に引き上げることができる。

(6)高齢者の重大な感染症に対する早期スクリーニング・介入を強化し、条件を満たす地区において、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の早期スクリーニング・健康指導を奨励する。高齢者の重大な慢性疾患の早期スクリーニング・介入・分類指導を強化し、口腔衛生、栄養改善、認知症予防・治療、心理的ケアを実施する。

(7)公的医療機関が高齢者の在宅医療サービスを提供することを奨励する。「診療報酬+在宅サービス料」方式を採用し、在宅サービス料は公的医療機関が自ら決定できる。

(8)北京・天津・河北、長江デルタ、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)、成都・重慶などの地域に約10のハイレベルなシルバー経済産業パークを計画・設置し、全国にシルバー経済のベンチマーク都市を複数設け、条件を満たす地区で高齢者向け製品の見本市・展示会開催を支持する。

(9)インターネット、ビッグデータ、人工知能(AI)、第5世代移動通信(5G)など情報技術、スマートハードウェアの高齢者用製品分野への応用を加速させる。

(10)商業保険機関による年金や高齢者向け健康保険商品を開発することを支持し、高齢者住宅リバースモーゲージ年金保険事業の発展を支持する。金融機関が高齢者をリスクの高い投資へとミスリードすることを厳禁する。

(11)各種条件を満たす学校による高齢者向け大学(学校)の設置、高齢者教育への関与を支持する。国家老年大学を設立し、全国の高齢者教育リソースの共有・公共サービスプラットフォームを設けることを計画する。各地の大学による「高齢者向けオープンカレッジ」開催を後押しする。

(12)各地が高齢者人材バンクを設置し、関連法規・政策を整備し、高齢者の労働・就業における権利・利益、起業における権利・利益を保障することを奨励する。各組織の必要に基づく雇用、個人の自由意思に基づく労働の原則に従い、専門的技術人材の就労年限の合理的延長を奨励する。

(13)常態的な指導・監督制度を構築し、扶養者に扶養義務の履行を促し、高齢者の虐待・遺棄問題の発生を防ぎ、扶養能力がありながら高齢者の扶養を拒む違法行為を個人社会信用記録に組み込む。

(14)様々な観光地やリゾート地が高齢者に配慮した建設や改造を強化し、高齢者向け観光拠点を建設するよう導く。企業による高齢者向け特別観光商品の開発、高齢者向け医療観光の拡大、高齢者向け観光、高齢者向け農村観光など新事業の拡大を奨励する。

(15)医療、社会保険、民政、金融、通信、郵便、出入国、生活費などの高頻度なサービスについては、必要とされているオフライン手続きルートを設け、末端機関でも手続きできるようにする。公共サービス施設では、対面の窓口や専用の電話回線を残し、高齢者のためにオフラインの窓口を一定数残す。

(16)民政部(省)と地方各級の政府は社会福祉事業宝くじ公益金の使用用途をさらに傾斜させ、2022年からはその55%以上を高齢者向けサービスへの支援に充てる。

(17)高齢者サービス機関の行為に対する監督を強化し、高齢者に対する詐欺・虐待行為を厳しく防止する。法律に基づく営業許可証を取得せずにマーケットエンティティ名義で高齢者サービス事業を行う、未登記で社会サービス機関名義で高齢者サービス活動を行う、管理機関による審査を経ず未登記で事業組織法人名義で高齢者サービスを行うなどの違法経営行為に対し、法に基づく取締りを強化する。

(18)高齢者向け製品・サービス分野における権利侵害行為、特に高齢者に対する各種製品・サービスの詐欺行為を厳しく取り調べ、処罰する。高齢者が詐欺について知り、騙されないようにするための啓発活動を広範に実施し、詐欺商法の被害者とならないための高齢者の意識と能力を高める。高齢者を狙った詐欺の防止と対策を強化し、政策の宣伝とリスク警告をしっかりと行い、犯罪の疑いのあるものについては法に基づき取り締まる。

(19)一人っ子の両親介護休暇制度の構築、要介護高齢者の家族介護者のための「レスパイトサービス」の実施を検討する。

(20)養老サービス法の制定を推進し、高齢者の権利・利益保障と高齢者介護サービスの法律を指針とし、行政法規、関係当局規則、規範文書を主体とし、関連基準が支えとなる高齢者介護サービス政策の法体系を構築し、高齢者サービスの法整備とその遵守を実現する。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年2月22日