中国・ウクライナ外相電話会談、在留中国人の安全確保を重点に立場表明

王毅国務委員兼外交部長（外相）は1日、ウクライナのクレバ外相と電話会談を行った。外交部（外務省）ウェブサイトが伝えた。

クレバ外相は、ウクライナ・ロシア間の第1回交渉について説明し、「戦争終結がウクライナ側の最優先事項であり、ウクライナ側はウクライナ問題の交渉による解決に対し開かれた姿勢を取っており、前向きに誠意を持って交渉に臨んでいる。目下、交渉は順調に進んではいないが、ウクライナ側は冷静さを保っており、引き続き交渉を進める意向だ。 中国はウクライナ問題において建設的役割を果たした。ウクライナ側は中国側との意思疎通の強化を望んでおり、停戦実現のために中国の仲裁を期待している」とした。

王部長は「ウクライナ情勢は急速に変化している。中国側はウクライナ・ロシア間の衝突勃発を痛惜し、市民の被害を極めて注視している。ウクライナ問題における中国の基本的立場は公で透明性のある、一貫したものだ。我々は常に各国の主権及び領土的一体性の尊重を主張している。目下の危機に対して、中国はウクライナとロシアが交渉によって問題解決の方法を見出すよう呼びかけ、政治的解決に資する全ての建設的な国際的努力を支持する」と表明。

「中国は常に、一国の安全が他国の安全を損なうことを代償にすることがあってはならず、地域の安全を軍事ブロックの拡大によって達成することはできないと考えている。拡大し続ける戦争に対する喫緊の課題は、可能な限り現地の情勢を緩和し、衝突がエスカレートひいては制御不可能になる事態を回避すること、特に市民の被害や人道的危機の発生を防ぐことであり、また人道支援の安全かつ速やかな実施を確保すべきだ」と強調した。

王部長は、ウクライナにいる中国国民の安全確保について重点的に立場を表明し、ウクライナ側に相応の国際的責任を引き受けるよう促した。王部長は「中国政府はウクライナにいる中国国民の安全を非常に重視しており、彼らの安否を常に気にかけている。ウクライナにいる中国人は皆、中国とウクライナの友好の使者であり、ウクライナ人の友人だ。中国側は現在、ウクライナの中国人留学生・居留者の避難を進めており、ウクライナ側の支援と協力、ウクライナ社会各界の友好的手助けに感謝している。ウクライナ側が外国人の避難のために特別列車を用意したことを称賛する。これは国際人道精神に合致する。ウクライナ側が、ウクライナにいる中国国民の安全確保のために必要なあらゆる措置を講じ、引き続き中国国民の避難に保障と便宜を提供することを希望する」とした。

クレバ外相は「ウクライナ側にとって外国人の安全確保は重要な責務だ。ウクライナ側は中国側の懸念を非常に重視し、中国人留学生などの順調な避難にサポートしている。ウクライナ側は、引き続き責任ある姿勢で、外国人の安全な避難に関する保障をしっかりと行っていく」とした。（編集NA）

「人民網日本語版」2022年3月2日