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japanese.china.org.cn |22. 10. 2022

米国の半導体対中輸出規制は自他を害する=英メディア

タグ: 半導体 輸出  資本投資
中国網日本語版  |  2022-10-22

 米国は最近、先端半導体の対中輸出の規制を強化した。一見したところ、米国のこの輸出規制は奇妙に見えるかもしれない。まず、中国は米国にとって2位の半導体輸出先であり、その輸出総額の15%弱を占めている。しかも米国は世界のビジネス活動の促進で利益を得ている国であり、この輸出規制は自覚しながら逆方向に進むようなものだ。英サイト「UnHerd」が伝えた。

 

 米国はこの政策について世界に説明する際に商務長官ではなく、サリバン国家安全保障担当大統領補佐官に説明させた。サリバン氏の発言は冷戦時代を想起させた。

 

 サリバン氏は、「中国の国内外における自信は、経済・政治・安全・技術分野を跨ぐ西側との競争の非自由的なビジョンを促している。中国は国際秩序の再構築の意向を持ち、かつ成長を続ける能力によりそれに取り組める唯一の競争相手だ」と述べた。

 

 米国は中国を恐れている。それ以外にサリバン氏の声明を判断する術はない。米国は中国を恐れているだけでなく、「中国の脅威」に対応するためシナリオを捨てることも惜しんでいない。ロシアと異なり、中国は他国を「侵略」したことがないが、バイデン政権は中国に制裁を行っている。世界各国がこの二転三転する行為に注目し、米国の自国への制裁を引き起こしうる要因は何かと思案していることは間違いない。

 

 この輸出規制は処罰的なものだが、逆効果になる可能性が高い。中国への米製半導体の輸出を禁止し、さらに設計・製造において米国のツールとソフトウェアを使用する外国製半導体に対しても許可を取るよう求める。その他国への刺激は明らかだ。ある国の半導体が規制を受けない大きな市場を手にしようとするならば、米国のツール及びソフトウェアの代替品を使用しなければならない。

 

 この規制はさらに米国公民と中国半導体メーカーの協力を規制する。これは米国人の半導体業界に参入する原動力が弱まることを意味する。この規制はさらに米国の半導体研究開発に悪影響を及ぼす。米国の経済学者のデービッド・ゴールドマン氏は、この規制が半導体業界への資本投資に及ぼす害は、同業界が得る適度な補助金の5倍にのぼると見積もった。

 

 米国の行為は、この新たな多元的な世界にふと気がつき驚いた反応に似てきている。米国はこの新世界を評価し、その中で席を占めようとするのではなく、過激だが徒労に終わる規制・干渉によりこれを見えなくしようとしているようだ。

 

 サリバン氏は、「我々の目標はパートナーに対して各問題をめぐり我々と立場を一致させるよう強制することではない。我々は世界を膠着した陣営に分けない」と述べた。実際には米国は一挙両得を企んでいるようだが、その目標を達成する自身の能力を過大評価している。

 

 この規制が発表された数日後、ドイツの首相は中国との「デカップリング」は「間違った答え」であると述べ、今年11月の北京訪問を決定した。これこそが聡明な措置であり、米国もならうべきだ。(筆者フィリップ・ピルキントン)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月22日